大会公式のマン・オブ・ザ・マッチにも選出されたU-18日本代表MF伊藤洋輝

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[11.6 AFC U-19選手権予選 U-18日本代表 7-0 U-18シンガポール代表 ウランバートル]

 7日の夜から8日の朝にかけて、モンゴルの首都ウランバートルにはしんしんと雪が降り積もり、都市の風景を銀世界へと一変させていた。

「朝起きて外を観たらビックリした」と笑ったのは、U-18日本代表MF伊藤洋輝(磐田U-18)である。もちろん雪を見るのが初めてということはないが、静岡育ちの伊藤にとって「こんなに積もった中でやったことはない」という初体験。前日の練習が雪ならまた話も違っていたが、当日急に雪景色となれば、“ぶっつけ本番”である。個々の対応力と技術の幅が問われることになった試合でもあった。

 グラウンダーのパスやドリブルという選択肢が消える中で、空中戦が多くなると同時に肝にもなった試合だが、このエアバトルで188cmの偉丈夫が輝いた。開始3分にFKから頭で合わせて先制点を奪うと、13分にもCKからのボールに合わせて追加点を奪った。1点目の速いボールは伊藤からのリクエストで、2点目も高いボールをキッカーのMF堀研太(横浜FMユース)に要求した上での一発だった。

「1点目は堀のいいボールをうまくそらして入れられた。2点目は相手があまりヘディングに強くないなと思ったので、他にも橋岡大樹(浦和ユース)とか空中戦に強い選手はいるので、『フワリとしたボールを入れてくれ』と言った。うまく入ってくれてよかった」(伊藤)

 群を抜く長身だが、「あんまりヘディングで点を取ったことはなかった」と語る技巧派タイプである。ただ、今年に入ってからは「数字にこだわりたい」と語っており、U-20日本代表の一員として参加した今年7月のAFC U-23選手権予選でもクロスボールに合わせる形でヘディングによるゴールを記録。「これから世界と戦っていく上でも一つの武器になってくれれば」と新たな武器にしつつある。もっとも、「今回の練習では本当に全然入らなくて、怒られた」と言うから、本番に強かったと言うべきか。

 得点以降の時間帯は無駄なリスクを負うことなくリアリスティックなプレーに徹しつつ、相手のロングボールに対してはヘディングで競って存在感を発揮。シンプルにボールを離しながら、時計の針をしっかり進めてみせた。大会公式のMOMにも選ばれたが、誰もが納得の選考だろう。2年後のU-20W杯、3年後の東京五輪で主軸を担うと期待される大型MFが着実な進歩を感じさせるパフォーマンスを見せ、日本に勝利をもたらした。

(取材・文 川端暁彦)
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