これまで、デキるリーダーに関する記事を何度か紹介するなかで、自分なりに学んできたことがある。彼らはスキルや経験が豊富なだけではなく、自分の弱さをおそれず見せられるということ。

しかし、Jeff Haden氏が「Inc.」に寄稿した記事が、彼らはただ弱さを見せているだけではないということを気づかせてくれた。彼らが共通して言う、ある一言があるというのだ。

従業員を褒める。タイミング良く有益な意見を述べる。言うべきことと、言ってはいけないことを把握する。これらは「良いリーダー」が行っていることです。そのうえで、あなたが素晴らしいチームをつくりたいのなら、重要にすべき一言があります。

この一言は、あなた自身や他者、そしてあなたのビジネスに大きな影響をもたらします。同時に、自分の弱さを実感させられるかもしれません。でも、それは大切にすべき感覚です。

『The Talent Code』は、私のお気に入りの書籍の1つであり、これまで最低50冊は誰かにプレゼントしてきました。以下は、著者であるDaniel Coyleの言葉です。

彼は、2018年1月に発売予定の新書『The Culture Code: The Secrets of Highly Successful Groups』の中で、ピクサーやネイビーシールズ「チーム6」、サンアントニオ・スパーズのような大きな成功をおさめる組織に足を踏み入れ、グループが1つになり機能するのに必要な3つのスキルを明らかにしています。

私は見本版を読みましたが、素晴らしい内容となっているので、以下に紹介します。

デキるリーダーがする
「小さな告白」

偉大なリーダーシップについて考える時、何か大きなことを思い浮かべがちです。例えば、大胆な決断や感動的なスピーチのような。

私は調査の中で、異なるリーダーを見てきましたが、大切なのは大きなものより、彼らが自らのミスや弱さを認める小さな告白の瞬間でした。

これについて、ネイビーシールズのDave Cooper氏はこのように述べています。

「リーダーが言える最も重要な言葉は『俺は酷いミスを犯した』だ」

不思議に思えるかもしれません。リーダーは揺るぎない自信を示すべきではないの?弱さを認めれば、より多くの弱さを露呈するのではないか?と。

でも、よく考えるとこの一言は理にかなっているのです。なぜなら、真実を言い合える安心感を抱くとき、メンバーの間に繋がりができるからです。それはまさに、リーダーが自分の弱さを示す瞬間に始まります。

この瞬間は、「Vulnerability loops」と呼ばれています。仕組みを説明するとこのようなもの。

Aさんには弱い部分があり、自分のミスや欠点を認めます。すると、Bさんも同じことができるようになり、率直な意見交換が発生します。パフォーマンスは向上していき、信頼関係が構築されるのです。

Vulnerability loopsは、ある集団が「強く見えるだけのグループ」になるのか、それとも「真実と向き合い、共に学べるグループ」になるのかを決めます。

また、ストレスを感じる時(何かが間違った方向に進んでいる時や、意見が合わない時)に、最大限の力を発揮します。

「ストレスを感じる時、人々は防御態勢に入り自らを正当化し始め、緊張状態を高めます。一方で、『興味深いアイデアだね。それについてもっと話そうよ』のような言葉を交わすこともできるのです。ここで起きることは、その後、全てのことに影響を与えるのです」

これは、ハーバード・ビジネス・スクールの教授で、組織行動学を研究するJeff Polzer氏が述べた言葉です。

例として、ピクサーの代表で共同創業者のEd Catmull氏とのエピソードを紹介します。私が彼と初めて会った時、彼は私に、Brooklynと呼ばれる比較的新しいピクサーのスタジオを見せてくれました。太陽の光に照らされ、ガラスとリクレイムドウッドでできた建物で、暖炉やカフェ、ルーフデッキがあるような、クールなデザインでした。歩きまわりながら、私は思わず「素敵ですね」という言葉を口にしました。

すると、Catmull氏は立ち止まり、私を見てこう言いました。

「実は、この建物失敗作なんですよ」

聞き間違えではないかと思いながら彼の方に身を寄せました。すると、彼はこう続けます。

「なぜ失敗かというと、コミュニケーションをとるスペースがないからです。通路はもっと広くするべきでしたし、カフェをもっと大きくして、多くの人を収容できるようにすべきでした。

それに、オフィスを端に設置して、中央に共有スペースを設けるべきでしたね。ですから、ミスは1つではないんです。大きなミスがたくさん出るまで、私たちは気づくことができませんでした」 

周囲が意見を言える
環境づくりも

次に、Dave Cooper氏の話を紹介します。

彼は、ウサマ・ビンラディンを捕獲した部隊を訓練した、ネイビーシールズのマスターチーフですが、自分の弱さをあえて隊員らに見せてミスを認めていました。

そして、新しい隊員が彼を呼ぶ時に敬称をつけたら、こう正していたのです。

「俺のことは、クープとかデイブと呼んでいいし、クソ野郎でも構わない。君の自由さ」

彼は、自分の意見を述べる時、質問を促すフレーズを必ず付け足していました。例えば、「この意見にケチをつけたい奴はいるか?」や「このアイデアの悪いところを教えてくれ」のようなフレーズです。

命令を下すことを避け、代わりに、たくさん質問をしていたのです。「他にアイデアがあるか?」というように。

また、彼はミッション中、隊員ら(特に新しい隊員)に自分に向かって意見するよう促していました。そして、私にこう語りました。

「例えば、市街地にいる時、窓は危険になる。窓の前に立っていると、スナイパーに撃たれる可能性があるし、銃弾がどこから来たのかが分からない。もし君が新入隊員だとして、ファルージャの街中で、窓の前に立っている私を見つけたらどうする?『そこをどけ!』と私に言うか?それとも、ただ黙って私が撃たれるのを待つか?

この質問を新入隊員に尋ねると、彼らはこう言うよ『動いてくれと言います』とね。だから、私は彼らにこう伝えるんだ『それこそ君が、ここで常にすべきことだ。あらゆる決断の際に、それが必要だからだ』と 」

Vulnerability loopsを使用することで、Catmull氏やCooper氏など、他のリーダー達は明確なメッセージを送っています。「私達は、共に学習している」と。彼らは思ったことを述べることをグループの全員に実践してもらいながら、率直なやり取りをも可能にしています。そして、そのやり取りは、集団行動の中で共通のメンタルモデルを生み出し、改善を促しているのです。

彼らは、自分や周囲を、自分を守るという考えから本当に重要なことへシフトさせているのです。その重要なこととは、「いま、ここで何が起こっているのか?」ということです。

私達は、どのようにしたら共に成長していけるのでしょう?

Licensed material used with permission by Jeff Haden