「浦和レッズのACL決勝進出で再燃した『TV放送問題』はサッカーファンが団結する好機だ」

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浦和レッズがアジア王者への挑戦権を手にした。

ACL決勝でサウジアラビアのアル・ヒラルを下せば、日本のクラブにとっては2008年のガンバ大阪以来9年ぶりの優勝。浦和レッズにとっては、2007年以来10年ぶり2度目の優勝である。

先日行われた日本代表メンバー発表以降は、サッカーファンの意識が「代表戦」にシフトしていっている感はあるが、ACL決勝は日本サッカー界にとっても紛れもないビッグイベントだ。

しかし、その裏で大きな問題が起きていることはご存知だろうか。

それは、この試合における「TV放送問題」だ。

ACLは『日本テレビ』が放映権を持っており、今大会も主にCSの『日テレジータス』と『日テレNEWS24』にて放送。準決勝は浦和レッズが勝ち進んだこともあり、『BS日テレ』でも放送したが、基本的にはCSがメインだった。つまり、各チャンネルを契約している「課金者のみに向けて」の放送スタイルを取ってきたわけである。

そこで、「決勝はどのような形式になるか」に注目が集まっていたのだが、彼らは以下のように発表した。

簡単に言うと、BSとCSが生中継。地上波は深夜の録画放送ということだ。

少なくともBSでの放送が決定したこともあり、「見られない」という層は格段に減ったが、多くのサッカーファンはこれに黙っていなかった。

「地上波は録画放送のみ」と決定した姿勢そのものが批判対象となり、上記のツイートに対しても否定的なコメントが集中。

「なぜ、日本チームが決勝進出したのに地上波生放送しないのでしょうか?」

「地上波しか見られない人には決勝を見る資格が無いんですか?」

と疑問を呈する声も続出し、『テレビ朝日』が、2007年に浦和レッズの決勝進出に伴い緊急で地上波生中継を敢行した事実を持ち出し、「放映権をテレ朝に譲れ」という辛辣な意見も寄せられた。

もちろん、『日本テレビ』もこの一件は予見していたことだろう。そして、彼らが熟慮した上で決断を行ったことも間違いないはずだ。

突如、放送スケジュールが変更されるケースはあるが、「可能な限り、予定されているタイムスケジュールを変更しない」というのは、放送業界にとっては暗黙のルール。とりわけ2ndレグは、夜7時のいわゆるゴールデンタイムでの試合ということもあり、各スポンサーとの関係性なども考えると、変更することは容易ではないことは自明の理だ。

また、彼らの中では「視聴率の面でどうか?」ということも重要な論点になったはずだ。

この時間のレギュラー放送番組で言えば、『天才!志村どうぶつ園』や『世界一受けたい授業』との比較だ。その上で、彼らはACL決勝を捨てたのだろう。

もちろん、「視聴率勝負」となっても「ACL決勝」がこの両番組に勝利した可能性もゼロではないはずだ。だが、それは我々では推測できない。

我々が推測できることは、「サッカーは計算できないコンテンツ」という意見に反論できず、「ACL決勝のほうが視聴率を取れる」と関係各所に断言できなかった彼らの光景ぐらいだ。

と、放映側の考えを長々と推論してしまったが、筆者は、今回の騒動に対して「全面的に彼らを否定するのはやり過ぎではないか?」という感想を持っている。

むしろ、「前述の『テレビ朝日』の行動こそが賞賛されるべきであり、『日本テレビ』の行動が通常だ」という考えだ。さらに言えば、「BSという枠を使い、視聴可能者数を増加させた今回の施策はもう少し評価するべきでないか」とすらも思っている。

たしかに「放映権の取得者」には、取り扱っているコンテンツを「世に広め、普及させる」という責務はあるはずだ。

しかし、彼らが放映権を手にしたのは、あくまでもビジネスのためである。当然ながら儲からなくては意味がない。その考えは、日本だけではなく国外も同様であり、「ビッグマッチが無料で視聴できない」ということが日常茶飯事の国も少なくない。日本よりも先に有料配信サービスを開始している諸国では、それが当たり前のようになっている。

少し脱線してしまったが、サッカーファンが行わなくてはならない行動は今回のような「批判」なのだろうか。

筆者はそう思わない。

むしろ、「判断が間違いであった」と彼らに言わしめるため、何かしら「大きな結果を残すこと」に集中するべきなのではないだろうか。

それは、浦和レッズが優勝という成績を収めることはもちろん、「サッカーファンが大きな力を持っている」ということを証明することだ。

『金曜ロードショー』にて『天空の城ラピュタ』が放送される度、「バルス」の瞬間ツイート数が世間を毎度騒がしているが、作品を愛するファンたちが一種のムーブメントを作り出したことが事の発端だ。大手メディアが作為的に作り出したものではなく、逆に彼らがこのムーブメントに乗っかった格好である。

ACL決勝にて「バルス」のようなキラーワードを見つけることは難しいかもしれないが、それこそ「#レッズ」や「#レッズ優勝」という簡単なフレーズでもいいし、「#ウィーアーレッズ」と叫ぶのも一つなのではないだろうか。特定のタイミングで力を結集できるのであれば、その内容は何だっていいはずだ。

とにもかくにも、サッカーファンは団結を示すことが必要であるように思う。そしてそれは浦和レッズのサポーターに限定した話ではない。

ACL決勝という舞台が、特定のサポーターを喜ばせるものではなく、皆が注目する大舞台であることを証明するには、サッカーファン全体の力が必要不可欠である。

11月25日(土)が、様々な意味でサッカー界にとっての大きな転機になることを期待している。