ロス米商務長官=ランハム裕子撮影

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 「パラダイス文書」の報道で、プーチン大統領に近いロシア企業と利害関係を保っていたと指摘されたロス米商務長官は6日、英PA通信に対して、ロシア企業との交渉には関わっていないとし、「(米国のロシアへの)制裁に違反することは一切ない」と述べた。

 また、問題視された株について「商務長官就任時に手放すよう、米政府から求められていない」「保有する株の情報はすべて公開している」と主張した。ロシア企業との利害関係の有無については触れなかった。

 ロス氏の問題について野党・民主党のブルーメンソル上院議員は、徹底調査を商務省の監察官に求めた。同議員は声明で「ロシアの民芸人形マトリョーシカのようだ。明らかな利益相反が、一見すると無味乾燥な持ち株会社に隠されている」と問題視した。

 一方、ロシア上院のコサチョフ国際問題委員長は、ノーボスチ通信に対して「合法的な経済活動を怪しい言葉で描写している」と報道を批判した。

 世界で一斉に報道が始まった「パラダイス文書」は各国を揺らしている。

 トルドー首相を支える投資家が巨額の資金をタックスヘイブンで運用していたカナダ。同国歳入庁の報道官は報道を受け、「カナダの法人の関わりを精査している」との声明を出した。

 エリザベス英女王の個人資産もタックスヘイブンで運用されていた。野党・労働党のホッジ議員はBBCの取材に「王室の資金を扱うなら、通常以上にクリーンにし、税逃れなどの汚い世界に近づいてはいけないのは明らかだ」と指摘した。

 昨年のノーベル平和賞を受賞したコロンビアのサントス大統領は、バルバドスの保険会社2社の役員として記録されていた。同氏は声明で「1ペソたりとも出資しておらず、共同経営者だったこともない」と関連を否定した。保険会社との関係については「子どもたちの教育費のための投資をもちかけられた」「加わったのは非常に短い期間で、なぜ名前があるのかわからない」と主張した。

 昨年公表された「パナマ文書」をめぐる疑惑でシャリフ首相が辞任したパキスタン。パラダイス文書では、アジズ元首相の資産隠しの疑いが浮上した。地元テレビによると、アジズ氏を含むパキスタン人約140人について連邦歳入庁が調査に乗り出すことを決めた。地元各紙は6日の朝刊1面で「新たな疑惑の山」「大金持ちの『パラダイス』が明るみに」と報じた。

 インドネシアでは、故スハルト元大統領の息子、娘と、野党グリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首の計3人がタックスヘイブンに作られた会社に関与したことが分かった。同党幹部は「党首は会社と無関係だ」と主張したが、税逃れ対策に力を入れてきたスリ・ムルヤニ財務相は「我々の関心事項だ」と述べ、実態解明に意欲を示した。