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 日本経済新聞は6日、マツダが2019年に小型ロータリーエンジンを搭載した電気自動車(EV)を、米国と欧州に投入すると報じた。

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 EVを巡る動きは英仏両国が2040年に内燃機(ガソリン・ディーゼル)自動車の販売を禁止すると発表したことが起点となり、中国がNEV法(ニュー・エネルギー・ヴィークル規制法)を18年4月に施工決定し、欧州メーカーでもEVへの急激な傾斜を示す発表が相次いだことから、世界的に大きな注目を集めている。

 特に中国のEVへの傾斜は顕著であり、車載電池の生産量も世界の過半数を超えるシェアを占めるものと捉えられている。

 現在主流の「リチウムイオン電池」には、価格が高い、重量が重い、充電時間が長いという三重苦があり、必死の開発競争が続いている。充電池の性能を、充電量を左右する「エネルギー密度」、発火や爆発に対する「安全性」、「コスト」、「生産技術」という4つの要素で分析すると、およそ7種類に分類される「リチウムイオン電池」の原材料にはそれぞれ一長一短があり、4要素の全てをバランスよく充足した原材料はない。

 これに対して、トヨタと東京工業大学が共同で開発中と伝えられるのが全固体電池だ。技術的なことは難し過ぎて専門家に任せるほかないが、現在伝えられている大まかなポイントは航続距離が現行リチウムイオン電池搭載EVの3倍に伸び、充電時間が数分で済むという点だ。基礎研究に目途を付けた段階だとか、早ければ22年(25年という説もある)に市場に投入する計画だとの情報が伝えられている。この全固体電池を期待通りの性能でEVに搭載することが出来れば、現在の「リチウムイオン電池」は一瞬で陳腐化する。

 もちろん「リチウムイオン電池」の開発にも大きな革新が起きることは否定できない。つまり、現在はEVと言う到達点だけが話題に上るカオス(混沌期)にあると言える。理想のEV開発に向けて最大限の努力が必要ではあるが、現状の打開に向けた発想の転換と技術革新が必要な時期でもあるのだ。

 マツダが19年に発売すると伝えられたロータリーエンジンEV(エンジンなの?EVなの?)は「レンジエクステンダーEV」という分類になる。「レンジエクステンダーEV」とは、外部からの充電が必要であるが、蓄電池の備蓄が尽きかけた際にはエンジンを始動して電力を供給するシステムのEVを言う。マツダの誇る世界唯一の量産ロータリーエンジンで発電するため、車載バッテリーの容量を抑え、航続距離を既存のEV比で2倍に延ばすことができるという。

 独創的な技術を持ち、トヨタとの関係をより緊密にしたマツダが、EVも独創的に提案する。米欧向けの新型EVは小型車種を想定し、国内の既存工場で生産することになりそうだ。国内での発売時期は白紙で、需要を見極めて今後検討するという。どんなフォルムで姿を現すのか期待が高まる。