同じ親が育てても三者三様!「3きょうだい」の日常にほっこりするコミックエッセイ

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子どもと生活していると、子どもならではの言い回しや、かわいらしい行動に思わず笑えたり、キュンとすること、ありますよね。

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とくにきょうだい育児をしている方なら、きょうだい同士の会話にほっこりしてしまうことも多いのではないでしょうか。

でもそんな子ども時代はあっという間に過ぎてしまうもの。

子どもたちの、日々のちょっとしたおもしろい言動は、メモでもしていないとすぐに忘れてしまって、あとから「もったいないな……」と思うことも。

そんな家族の日常を切り取った『いつか大きくなる日まで~山本家子育て日記』は、3人きょうだいを育てる主婦・山本みつ湖さんによる子育てコミックエッセイ。

今回は、著者の山本さんに漫画を描いたいきさつや、漫画からも伺えるきょうだい育児の楽しさ、家族への思いなどについてお話を伺いました!

『面白い』と思ったことはすぐにメモ

――長男くんのときはイラストつきの育児日記を描いていたということですが、大変な第一子育児の中、そんなふうにしっかりした育児日記を残せたのは素晴らしいですね。

山本みつ湖さん(以下、山本)「産院でもらった、薄いノートの形をした育児日記がきっかけでつけ始めました。時間軸に合わせて授乳の回数や排泄回数、睡眠時間などを記録するためのものでした。

初めての育児で、ミルクを飲んだ量や体温、排泄の回数などが大丈夫かどうか気になって事細かにつけていましたが、生後1ヶ月の頃、妹がもっと気軽な育児ダイアリーをプレゼントしてくれ、そちらのノートには簡単なイラストを添えた一言日記を描くようになりました。

イラスト付きの一言日記は書かないまま何日も経ってしまうことがありましたが、時間軸に合わせての育児日記は常につけるのが当たり前になっていましたね。

ミルクを飲んだら量をすぐ記入、排泄したらすぐ記入、寝たら記入起きたら記入という感じでした。赤ちゃん時代の長男の写真には、しょっちゅう育児日記が一緒に写っているほどです。育児が心配でたまらなかったのだと思います」

――3人きょうだいの日常に、読んでいて癒されました。日常生活を送っていて、主にどんなときに「あ、これ漫画にしよう!」と思いますか?

山本「基本的には、本の前書きにも書いたように、子どもたちが読み返して楽しめるであろうもの、温かい気持ちになれるであろうものを選びたいと思っていますが、『あっ面白い』と感じたことはすぐメモしています。

言葉の使い方や反応が大人の想定するものと違ったときや、優しい言葉をかけてくれたときに『漫画にしたいな』と思うことが多いかもしれません。

喧嘩しているところやすねているところも漫画にできたらいいなと思っているのですが、なかなか難しいです。うまく描けるようになりたいです」

――インスタグラムで漫画を発表されていますが、フォロワーのみなさんの反応はどのような感じでしょうか?

山本「2015年からインスタグラムで投稿しているので、長い期間見てくださっている方もいらっしゃって、子どもの成長を一緒に喜んでくださることもあります。とてもありがたいです」

きょうだいでお互い補い合ってほしい

――お子様3人、きょうだいでも性格は全然違うと思います。漫画でも幾度となく表現されていますが、改めてそれぞれのキャラクターはどのような感じですか?

山本「長男は、とても穏やかで、私と子どもたちの潤滑油になってくれることがよくあります。

私が、下の子どもたちに注意する言葉がきつ過ぎたときも、穏やかな言い方でフォローしてくれることも多いです。私を諭してくれることもあります。

小さい頃からずっと穏やかなので、生まれついての性格なのでしょうか。きっと夫に似たのだと思います。

印象に残っているのは、長男が3歳になってまもない頃。

当時1歳の次男との兄弟育児に疲れ果てて、つまらないことでイライラしてしまって、ふすまをバーンと大きい音を立てて閉めたことがありました。

そのときは静かにしていた長男でしたが、少し時間が経って私が落ち着いた頃に、そっと近くにきて、『お母さん、ふすまをバーンと大きい音で閉めないでね、僕、びっくりしちゃうからね』と静かに言ってくれたとき、こんなに小さいのにこちらを気遣いながらちゃんと自分の気持ちを話してくれたことに驚きました。」

山本「次男は、繊細で頑固者。気持ちの表現がストレートです。

普段はあんまり言うことを聞いてくれない上に、妹にも雑な対応をすることが多いのですが、いざというときには頼れるお兄ちゃんとして行動してくれます。

印象深い思い出は、夏休みに長男が義母の家へ泊まりに行っていたときのことです。

長女も夏期保育に行っていたので、この機会に次男との時間を満喫しようと思い、二人でザリガニ釣りをしてからお昼ご飯を食べに行きました。兄弟といるときは一所懸命話をして甘えてくる次男が、この時はほとんど話さなかったことがとても印象的でした。

『二人でご飯に行ったことは内緒にしようね』と約束しましたが、その後なんどもそっと『お母さんとしょうちゃんが二人でご飯に行ったことは内緒やもんな』と嬉しそうに耳打ちしてきて可愛らしかったです。」

山本「長女は、かわいいものとお父さんと歌が好き。いつもにこにこしながら、おしゃれや歌を楽しんでいます。

長男や次男も歌は好きでしたが、長女はオリジナルの歌をよく歌っていて、上の子たちと違うなあと興味深く見ています。

末っ子の甘えん坊と思っていましたが、先日、私と次男が宿題をいつするかについて激論を交わしていたとき……つまり喧嘩していたときには、『仲良く話した方がいいんと違うかな?』と提案の形をとって仲裁してくれました。

家族みんなのことをよく見てくれているなと感じます」

――3人のエピソードそれぞれかわいらしいですね。きょうだいを育てていてよかったと思うところはどんなところですか?

山本「3人いるのが当たり前になってしまっているのでうまく言えないのですが、自分が姉妹が多かったので、自分がそうだったように、子どもたちも喧嘩相手・相談相手が身近にいつもいて楽しいだろうなと思います。

あと、それぞれの得意分野がきっと違うので、互いに補い合ってくれたらいいなと思います」

――ご自身の経験もふまえて、きょうだいの良さを改めて思うのはどんなときでしょうか。

山本「子どもの間は、親には話しづらい悩みや不満なども兄弟間で話し合えるでしょうし、大人になってからも色々良い相談相手になってもらえるのではないかなと思います。私自身、姉妹とは友達とも親とも違う程よい距離感があって、しょっちゅう相談したり、ただ話を聞いてもらったりしていつも助けられています。

女同士の方が話し相手が必要な場合が多いかなとも思うのですが、末っ子には同性のきょうだいがいません。でも年の近い同性のいとこが何人もいるので、困ったときお互い相談し合える関係になってくれたらいいな……と思っています」

子育てしていて感じる親への感謝

――子育てとともに蘇ってきたというご自身の子どものころの思い出の話にもとてもほっこりします。

山本「子ども時代のことは、子育てしているときにふいに思い出すことが多いです。例えば、子どもが拗ねたとき。『まったくもう!』と思うとほぼ同時に、自分が拗ねたとき、親がどんな反応をしたかを、突然思い出します。

また、朝に子どもを送り出すときの秋の風の音を聞いて、ふっと、子どもの頃、こんな風の音がする秋の夕方に、母が肉まんを買ってくれたなあと思い出したり……。

懐かしい歌を聴いたときや、懐かしい香りに出会ったときにその頃の記憶が呼び覚まされることはみんなあると思うのですけど、それと同じなのかなと思います。思い出した際に父や姉妹に電話して、思い出話に花を咲かせることもよくあります」

――子育てしていて改めて感じる、親への思いも教えてください。

山本「感謝の気持ちがもちろん一番です。

両親は私が中学生のときに離婚したこともあり、感謝が一番なのですがそれだけではない気持ちも本当はたくさんある。でも、離婚してしまっても母とは定期的に会えましたし、親でいようとしてくれていたのかなと思います」

――小さい頃の印象的な思い出はありますか?

山本「幼少期は、楽しい記憶がたくさんあります。

母は実家もとても遠く、仕事もしていて、私たち姉妹を育てながら家の切り盛りをするのはとても大変だったと思いますが、忙しい家事の合間に、私たち姉妹と一緒に庭に出て花を摘むのを見ていてくれたことや、絵を描いてくれたこと、料理を手伝わせてくれたことなど覚えています。

父は、一緒に遊んでくれることはそんなになかったのですが、それでも休みの日に布団でぐるぐる巻きにしてくれたこと、足の上に私たちを立たせて歩いてくれたことなど思い出します。

年に一度、必ず連れて行ってくれたキャンプでは父はとても生き生きしていました。家族みんなでのキャンプを一番楽しんでいたのは父かもしれないですね。今でも、毎年、姉妹とその家族と父とで川に出かけています。

普段あまりそろわない姪や甥たち……父にとっては孫ですが、みんな大集合するので、大人も子どもたちも心から楽しみにしている行事です」

――キャンプの様子も描き下ろしの漫画で描かれていますよね。そんなふうに漫画にして思い出を残すことで特に良かった点はありますか?

山本「子育てしていると、子どもと家のことばかりで時間が過ぎてしまいます。ちょっとコーヒーを飲もうとするだけでも、中断させられてしまったり。

でも、短い時間でも、集中して好きなことをすると気持ちがすっとしますよね。

私にとってのリフレッシュ法が、絵や漫画を描くことでした。子どもの記録もできて、一日の記録もできて、自分もスッキリできて、後から読み返して楽しむこともできる。家族もとても喜んでくれるので続けてこれています」

――きょうだいについて、今後楽しみにしていることはなんでしょう。

山本「思春期が近づいてきて、楽しみというよりもちょっと怖いというのが正直な気持ちです。反抗されたとき私はどう対応するんだろうか、ちゃんと親として向き合えるだろうかと不安です。

でも、年頃の可愛い女の子やかっこいい男の子を見ると、『うちの子もあんなにかっこよくなったり可愛くなったりしたらいいな』とウキウキしたりもします。

最近、上の子どもたちが友達を家に誘うことが増えてきました。いつもリビングで遊ぶので、私も家事をしながらみんなの会話を聞いています。

小学生独特の言い回しやリアクションはもちろん、みんなが持ってくるものもとても楽しいです。たまに虫などの標本を持ってきてくれて驚いてしまうこともありますが、自分の好きなものの話をしている姿はみんな生き生きしてかわいいです。

長女のお友達との会話も、『家族以外とだとこういうふうに話すんだな』とか、いろんな発見があり、とても楽しい時間です」

――3人の成長が楽しみですね。漫画は、今後も続いていく予定ですか?

山本「今後も3人の子どもたちと家族の日常を描き続けていきたいのですが、子どもからNGが出ることも増えてきたので、3人の子どもたちがもっと小さかった頃の話を描いていこうかなと考え中です。

育児で悩んだことや、子どもが病気や怪我をしたときのことなども、昔のことなら思い切って描けそうですし、子どもからのNGも出にくいかなと。

また、夫の話や自分の子ども時代の話ももっと描いていけたらいいなと思っています」

きょうだいのエピソードだけでなく、ときに山本さんご自身の子ども時代の記憶も振り返って描かれる漫画は、読むと自分の親やきょうだいのことを思い出して温かい気持ちになったり、子どものことをより愛しく思えたりします。

きっとあっという間に過ぎていくであろう、子どもが小さいうちの家族時間を、もっと大切にしよう……そんなふうに思える1冊です。