4日、環球時報は、ユネスコが慰安婦関連資料の世界記憶遺産入りの判断を見送ったことについて、日本にとっては得るものより失うものが多いとする、中国社会科学院日本研究所の金贏氏による評論記事を掲載した。写真はソウルの日本大使館前の慰安婦少女像。

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2017年11月4日、環球時報は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が慰安婦関連資料の世界記憶遺産入りの判断を見送ったことについて、日本にとっては得るものより失うものが多いとする、中国社会科学院日本研究所の金贏(ジン・イン)氏による評論記事を掲載した。

ユネスコは10月31日、中韓などの民間団体が申請した「慰安婦の声」の世界記憶遺産入りについて判断を見送ることを明らかにした。

記事は「この決定に日本の外務省の高官が『安心した』とコメントしたとの情報や、日本国内から喝采が起きたという報道が一部日本メディアから出たようだが、こうした日本の反応は完全に想定内だ」と指摘。「登録を阻止すべく、日本は想像を上回るリソース、精力を投じてきた。分担金支払い留保の圧力をかけてルール改定を要求したり、高官が公にユネスコ脱退をほのめかして威嚇したりと、なりふり構わない状況である」と伝えている。

また「安倍晋三首相が第2次政権発足後に歴史問題を問題視させない宣伝工作に力を入れ、国内では歴史の正義を求める動きを『悪意をもって日本の名誉を損ねようとしている』と批判して民族主義感情をあおり、対外的には慰安婦問題を『誤解』『解決済み』と繰り返している」と論じた。

そのうえで、今回の世界記憶遺産入りの「阻止」は、日本にとって「得るものより失うものの方が多い」と指摘。その理由として「女性の人権保護という国際的な潮流に背く行為であること」「世論の声を無視し、外交の民主化という時代の流れに背くこと」「日本が重視してきた『平和民主国家』のイメージに背くこと」の3点を挙げた。(翻訳・編集/川尻)