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駅前や繁華街でよく見かける「路上ライブ」。路上ライブを経験したのちに大物ミュージシャンになることもあり、音楽活動をしている人にとって大切なアピールの場だ。

路上ライブでは、投げ銭のような形で、観客がパフォーマーに対しお金を払っている光景もよく目にする。その一方で、CDを販売していることもある。

路上ライブで観客から支払われたお金は、税金の対象になるのだろうか。冨田建税理士に聞いた。

●雑所得として、課税対象になる

路上ライブで観客から支払われるお金は、パフォーマーの収入となるのか。

「まだ売れないパフォーマーを想定してみましょう。この人が音楽事務所に所属していないとすれば、おひねりや自作CDの販売収入等に基づく稼ぎは、個人所得として通常は『雑所得』という所得税等の課税対象になると考えられます。

本当は住民税も関係しますが、ここでは所得税に絞ってお話ししましょう。

所得税の納税額は、毎年2月下旬〜3月上旬の確定申告に基づいて決まりますが、他に確定申告の必要がない場合(例えば、会社員が路上ライブをしている場合)も「総収入金額(CDの販売収入やおひねり等)−必要経費(CDの制作費用等)」で算出される雑所得等が前年1年間で20万円超の場合は、確定申告を経て納税する必要があります」

申告しなかった時にどのようなペナルティが考えられるのか。

「納税義務があるのに適切な申告を怠ると、本来的には無申告加算税等の罰則的な税金を割増で課されます。現実問題として、この人のような少額の所得の場合に税務当局がどこまで追及するかという話はありますが、追及云々でなく適正な納税をした方が楽しく音楽ができるでしょう」

どのようなことに注意しておけばいいのか。

「とにかく、収入の額・内容の記録と必要経費の記録、領収書の保存は必ずしましょう。それさえあれば、税理士や税務署に相談できます。

また、他の所得で確定申告が必要な場合、併せて雑所得も申告することとなります。例えば私が仮に自作曲『ふどうさんのうた』のCDを販売して、その雑所得が20万円以下としても、私の場合は他の仕事でも収入があって確定申告が必要なため、雑所得も含めて申告して納税する事となります。つまり、他の所得との関連は要注意です。

それと、音楽が事業と言える場合は、事業所得とした上で青色申告の承認を受ければ最高65万円迄の所得控除ができます。雑所得とするより節税できる場合が多いのですが、正規の簿記の原則に従った記録が必要なため、現実の問題として、パフォーマー自身に簿記ができるのか、という問題はあります。ただ、音楽以外の場合も含め、この制度は覚えて損はないですね。

そういえば、『ふどうさんのうた』に続く作曲をしたくなってきました。今度、『ぜいきんのうた』でも作りますか(笑)」

【取材協力税理士】

冨田 建(とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士

42都道府県で不動産鑑定業務の経験があり著書「弁護士・公認会計士・税理士のための不動産の法令・評価の実務Q&A」や雑誌・税理士会会報等に数回執筆。公認会計士協会東京会第四回音楽祭で自作曲「ふどうさんのうた」で優勝。

事務所名   : 冨田建 不動産鑑定士・公認会計士・税理士事務所

事務所URL:http://tomitacparea.co.jp/

(弁護士ドットコムニュース)