本堂氏は、中国・四川省成都市の工場跡地にマイニングファームを建設し、20億円分のマイニングマシンを稼働させている。

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 9月、GMOインターネットとDMM.comが「マイニング事業に参入する」と発表。もっとも儲かるといわれた仮想通貨の「マイニング」が身近になってきた。どんな仕組みで、どれほど儲かるのか。最前線に密着した。

◆仮想通貨「採掘」の最前線に密着!マイニングできるかな?

「仮想通貨の“ゴールドラッシュ”がやってくる」

 そう話すのは、マイニング(採掘)向け超高性能コンピュータやチップの開発・製造・販売などを手掛けるTRIPLE-1のCOO、尾崎憲一氏。マイニングとはどういう仕組みなのか。

「仮想通貨はすべての取引を取引台帳に記録するのですが、膨大な演算処理をしてすべての取引を正確に検証しなければなりません。その記録・更新作業が『マイニング』です。その際、もっとも早く演算に成功した人に報酬として仮想通貨が支払われる仕組みになっています。“クイズ”に正解したら賞金がもらえるイメージですね」

 ビットコイン(BTC)は10分に1回“クイズ”が出され、正解者に12.5BTCが支払われる。マイニングでは膨大な演算処理を高速で行うため、超高性能なコンピュータが求められる。

「仮想通貨を掘るにはグラフィックボード(GPU)や、特定の用途向けにつくられたチップ『ASIC』を使ったコンピュータが使われます。ビットコインやライトコインは『ASICマシン』で、イーサリアムやそのほか多くの仮想通貨は『GPUマシン』で掘ることができます」

 尾崎氏がライトコインを掘るASICマシンを稼働してくれたところ、ダイソンの掃除機並みの爆音を出しながらファンが回り排熱した。いったい、このマシンでどれくらい利益になるのか?

「このASICマシンは1台あたり『550メガハッシュ』という採掘能力で稼働しています。5台購入するのに350万円かかりますが、年間約586万円、電気代を引くと約515万円を採掘できる能力があります。年利147%ですから、8〜9か月で元本が回収できる予定です」

 今年3月から仮想通貨のトレードを始め、3か月強で1億円超えを達成した鈴木章広氏は、自己資金1000万円を投下して東北地方に「マイニングファーム」を構築。1台に6枚のグラフィックボードを差したGPUマシン25台を設置し、Zcashをマイニングしているという。

「実際に稼働させるとどれくらい稼げるか、メンテナンスがどれくらいかかるかなどをテストしています。室内温度を下げることはもちろん、GPUを冷やすことでハッシュレート(採掘速度)が約50%も改善しました。1か月で65万円ほど採掘でき、電気代30万円を引くと、毎月35万円ほどの利益。元本回収に2年半ほどかかるので、機材の寿命を考えると、通貨の価格が上がるか電気代を下げない限りGPUマシンのマイニングは難しそうですね」

 両氏が共通して指摘するのが、電気代の高さだ。

「通常、パソコンに1個しかないチップが1台に144個も入っている高性能マシンなのでそれだけ熱くなる。その排熱で電気代も高額になります。日本の家庭の電気料金は1kWhあたり約30円で採算が合いません。中国は約6円と激安ですが、私たちは電力会社と提携し原価10円以下で行うことができるようになりました。これはもう海外でやる必要がない、ということです」(尾崎氏)

◆埋蔵量が決まっていて早く始めた人が有利

 デメリットは何か。尾崎氏は電気代のほかに「採掘難易度(ディフィカルティ)」を挙げる。

「マイニングには上限枚数があり、時間がたつほど残存埋蔵量は減り、参入者は増えていくので、採掘難易度が上がっていきます。早く始めた人ほど有利なのです」

 さらに、GPUマシンを稼働させる鈴木氏は「リセールバリュー」の違いを指摘する。

「GPUマシンはASICマシンに比べその汎用性から別の通貨を掘ることができるほか、機械学習の計算やVRの画像処理などにも生かせるので資産の転用が可能。リセールバリューやリユースバリューが高いのが特徴です」