リンクウィズの「Lロボット」はティーチングの自動生成ソフトだ。3次元認識のカメラと産業用ロボットを連携させて、ワーク(加工対象)の隈の位置をしっかり把握しつつ、溶接や塗装、切断、検査などの作業をロボットが自動で行える。吹野豪社長は「ワークにはわずかな誤差がある。このずれをどう補正するかがロボット化への課題だった」と語る。

 ロボットで3次元的に自動検査ができるソフト「Lクオリファイ」も、検査治具を一つ一つ作るコスト、手間を削減できるものとして引き合いが多い。

物流のボトルネック解消
 人手不足に悩む物流業界で、物流施設の自動化にロボットを活用する動きが進んでいる。自動倉庫や仕分け装置、搬送装置などで物流現場の自動化が進んだ。だが、発送先別に商品を詰め合わせる「ピッキング」など一部の作業はいまだ人海戦術に頼っている。

 2011年に創業したMUJIN(東京都墨田区)は、産業用ロボットと3次元カメラを使ってピッキング作業の自動化を実現するコントローラー「ピックワーカー」を展開する。

 ピックワーカーではティーチングなしに、ロボットがバラバラに置いてある箱を的確につかむことができる。狭い場所でも干渉物を登録しておけば、勝手に回避する動きを行う。滝野一征CEOは「倉庫のピッキング作業での人不足は喫緊の課題。ロボットは24時間文句言わず働くので生産性向上にもつながる」と笑う。

 MUJINのピックワーカーは通信販売のアスクルなど国内企業に採用されたほか、中国のインターネット通販大手JD.com(京東商城)が新設する全自動大型物流センターへの導入も決まった。

 MUJINは従業員35人のうち20人強が外国籍。米国、中国、ウクライナなど10カ国ほどから優秀な技術者が集まる。滝野CEOいわく「日本にあるグローバル企業」という点もユニークだ。