■神奈川大学優勝

 5日、神奈川大学が20年ぶりに大学三大駅伝の一つである全日本駅伝を制した。全8区間で行われるこの大会だが7区終了した段階では2位につけていた。しかし最終ランナーの鈴木健吾が東海大学の川端千都を序盤でとらえると中盤以降危なげないレース運びでゴールテープを切った。

【出雲は】東海大学、10年ぶりに出雲駅伝を制す

 結果だけ見ると最後に神奈川大学のアンカー鈴木の力でもぎ取ったようにも見える優勝だが、このレースには一言では集約できない緻密な計算が合った。神奈川大学の監督、選手たちは終始落ち着いたレース運びができたのは、アンカーに絶対的エース鈴木を要していたからであった。しかし1区から7区まで抜け目のない走りをし、「つなぎ」、「粘り」、「速さ」、「強さ」を見せつけることが出来た。

 ジャイアントキリングだというスポーツ記事はあるが、タイムを見ても圧巻の走りで実力通りの結果と見ていいだろう。

■箱根駅伝の前哨戦

 106.8キロの伊勢路を25チームで争われるこの大会を「箱根駅伝」の前哨戦と見る駅伝ファンは多い。全日本駅伝の前までは今年の箱根駅伝は青山学院大学と東海大学の一騎打ちだという声が上がっていたが、それに待ったをかける形となった。

 短い距離の出雲駅伝で東海大学に敗れた青山学院大学の原監督は恐らく「長い距離ではうちの方が有利」と思っていたことだろう。しかし今回は東海大学に勝てず、さらに神奈川大学には完敗と言ってもいい負け方をした。これにより内心焦っていることだろう。

 東海大学は「打倒青学!」を掲げていたが、敵は青山学院大学ではないことを身をもって知ったはずだ。優勝した神奈川大学も「一つミスをしていたらどうなっていたか分からない」と思ったはずだ。そういった意味では今大会は見ごたえがあり、来年の箱根駅伝を盛り上げてくれた大会と言っても過言ではないだろう。

■箱根駅伝が楽しみ!

 そして箱根駅伝の前哨戦という観点からすれば、神奈川大学、東海大学、青山学院大学が3強という訳ではないという見方をしている人も少なくないはずだ。レース序盤で主導権を握っていたのは東洋大学だったし、駒澤大学も粘りのある強いチームという印象を植え付けることが出来た。

 柏原、神野と言った「山の神」レベルとまではいかないまでも、5区で区間賞を出せるくらいの選手がいたらひっくり返る程度の実力差のように見えた。今大会は神奈川大学が制したが、例年以上に正月に向けワクワクさせてくれる大会だったのではないだろうか。