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10月8日に発覚した神戸製鋼所の検査データ改ざん問題は、収束するどころか影響が拡大する一方だ。ついに同社の虎の子事業や、安定的だった財務面にも不安が波及し始めている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子、片田江康男、堀内 亮)

 10月8日に発覚した神戸製鋼所による検査データ改ざん問題の余波が広がっている。

「本当に大丈夫なのか──」

 昨年、建設工事がスタートした真岡(もおか)発電所(栃木県)に部品を納入するある大手メーカーの首脳は、疑心暗鬼になっている。

 神戸製鋼からの「プロジェクトが遅れることはない」という報告をうのみにできず、部下に別ルートからの情報収集を指示。プロジェクトの進捗を用心深く見守っている。取引先企業が自主的にダブルチェックをせずにはいられないほど、神戸製鋼の信用は地に落ちているのだ。

 ある電力関係者は、「一番恐ろしいのは、行き詰まった神戸製鋼が電力事業の売却という“強硬手段”に出ること。そうなれば、真岡発電所の工期遅れは必至だ」と警鐘を鳴らす。事態の深刻さを重く見て、再編シナリオすら想定しているわけだ。

 問題は真岡発電所にとどまらない。神戸製鋼が同時並行で進める神戸製鉄所(兵庫県)の発電所増設プロジェクトにもけちがついた。環境アセスメント(影響評価)に必要なデータにまで疑問符が付き、環境省から再検証を求められたのだ。不正が発覚した子会社、コベルコ科研が環境アセスに必要な調査を担っていたからだという。

 神戸製鋼の電力事業といえば、鉄鋼、アルミ・銅、建設機械の主力3事業と比べて規模こそ小さいものの、長きにわたり全社の収益を下支えしてきた稼ぎ頭だ。川崎博也・神戸製鋼会長兼社長の肝いりである“虎の子”事業にすら、信用不安が襲い掛かっている。

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