「睡眠は90分サイクル」は誤り、眠りの科学は俗説だらけ

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要約者レビュー

「90分の倍数の睡眠時間をとれば、目覚めがよい」「22時から深夜2時までが睡眠のゴールデンタイム」「7時間睡眠が寿命を延ばす」。知ってる、知ってる、とうなずく人が大半なのかもしれない。が、実はこれらすべて間違い、もしくは不正確な「睡眠神話」なのだそうだ。本書『最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!』では、「睡眠神話」はじめ、睡眠にかかわる俗説が次々に論破されていく。その過程を読み進めると、私たちはなんとたくさんの根拠のない話に縛られてしまっていることか、と驚くことになるだろう。

 著者は、脳内物質の研究をしていたが、発見した物質がたまたま覚醒にかかわっている物質だったため、睡眠研究の道に入ったという(ちなみに、要約本文でも紹介している、覚醒を維持する「オレキシン」という物質が、著者が発見したものだ)。以後、睡眠について、学問的に研究を積み重ねてきた。著者の提案する、必ず眠れる睡眠法は、「眠りへのこだわりを捨てる」ことを基本に据えた、ごくシンプルな方法だ。けれどそれこそまっとうな方法なのだろう、と自然に納得させられる説得力が、本書にはある。

 また、本書は、病としての不眠の解説や、睡眠薬の種類や使い方にまで言及している。眠りについて真剣に悩んでいる方には、まず本書をおすすめしたい。人間の健康は、よく食べて、よく活動して、よく寝ることで成り立っている。その要素のひとつである「眠り」について、誠実に、真摯に語られた1冊である。(熊倉 沙希子)

本書の要点

(1)睡眠システムと覚醒システムは互いに抑制しあっており、優勢なほうに切り替わるようになっている。この切り替えに影響するのが、体内時計と、睡眠負債という概念である。加えて、覚醒を促す要素としてストレスや情動がある。
(2) 眠りを意識しすぎると、その情動によって覚醒が促されてしまうので、眠りにこだわりすぎないことが安眠へつながる。
(3) 寝ないといけないと意気込まず、寝室で15分眠れなかったら居間にいったん戻り、眠気を感じたら寝室に行く、というふうにするとよい。

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