【今週の焦点】8日からTPP首脳・閣僚会合 中国の覇権主義抑制へ正念場 高水準の自由化維持がカギ

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 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国は8日から、ベトナムのダナンで首脳・閣僚会合を開く。

 米国離脱を受けて実施を棚上げする凍結項目の絞り込みなどの懸案を決着させ、大筋合意する。協議では中国の影響力拡大を退けるだけの高い水準の自由化を維持できるかが焦点だ。

 「TPPはまさに今、日本主導で議論している。ベトナムで大筋合意に向けた最終的な詰めを行いたい」

 茂木敏充経済再生担当相は2日、自民党の会合でこう述べ、日本が初めて旗振り役を務めた多国間協定の実現に強い意欲を示した。

 11カ国は8日から閣僚会合を開催。さらに10日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と併せてTPP首脳会合を開き、大筋合意を報告する。

 ただしベトナムが繊維製品の関税撤廃・削減の対象を厳しく制限する原産地規則などの凍結を求めるなどしており、協議が難航する可能性もある。茂木氏は7日にベトナムのクアン国家主席と会談し、凍結要望の絞り込みに協力を求める見通しだ。

 TPPの経済効果は米国の離脱でほぼ半減した。それでも日本が11カ国による成立を目指すのは米国が関与を弱めたアジア太平洋地域での“権力の空白”に、覇権主義を強める中国が入り込みかねないからだ。

 それだけにTPPは高い水準の自由化を保つ必要があり、日本は凍結項目を最終的に十数個まで抑える考え。交渉筋は「TPP11の成立が米国に復帰を促す最大のメッセージにもなる」と期待を込めている。