ふいに出る空腹時や食後の「お腹の音」 止める方法はある?

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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ


グ〜、ゴロゴロ〜など、「お腹の虫」に鳴かれたことはありませんか?

授業中や会議中だと、かなり恥ずかしい思いをしたかもしれませんね。

どうしてお腹の虫は鳴くのでしょうか。

今回はお腹の虫が鳴る原因を探って、効果的な止め方や対処法について見ていきましょう。

腹鳴(ふくめい)について

お腹の鳴る音は「腹鳴(ふくめい、あるいは、はらなりとも読みます)」と呼ばれます。

人によって聞こえ方はさまざまなようですが、グー、ゴロゴロ、ポコポコなどが一般的です。

どれも「不快感」を伴いますが、病気ではありません。

お腹がすいたときは「グー」、お腹がすいていないときは「ゴロゴロやポコポコ」、という音が多いようです。

腹鳴が起こる3つの原因

空腹時の胃の収縮



お腹がすいて血中の糖濃度が下がると、脳は胃袋の中のものを十二指腸に送るよう指令を出します。

その結果、胃の収縮運動が活発になり、中にある空気が圧縮され、狭い胃袋の出口から腸に移動するとき、グーという音が出ます。

そう、音の正体は空気なのです。

空腹ではないとき


胃の中で消化されたものが腸を通るとき、微量のガスが発生し、腸の壁を動かして音が鳴ります。

つまり、飲み込んだ空気と消化液、食べ物が混ざった液体が、腸の運動によって攪拌(かくはん)されることで起こる現象なのです。

ストレスの影響



食事のときに空気を一緒に飲み込んで胃や腸に空気がたまり、お腹が鳴ったり張ったりする症状を「呑気症(どんきしょう)」と呼びます。

腹鳴のほかに、げっぷや胸やけの原因ともされていますが、呑気症の原因としてストレスが挙げられています。

腹鳴が起こりやすい条件

これまで上げた原因のほかに、次のような要因や条件が、腹鳴を起こしやすいとされています。

食べ物


・不溶性食物繊維が多く含まれる、サツマイモや大豆、ゴボウなど

・炭酸飲料(空気を多く含んでいるため)

・ガム

・冷たいもの、熱いもの、辛いもの(刺激が強くて胃腸に負担がかかる)

早食い


早食いによって多くの空気を吸い込み、呑気症と同じ状態になりやすくなります。

奥歯のかみしめ癖


これも、空気を飲み込んでしまいやすくなるからです。

姿勢の悪さ


うつむくことが多いと唾液を飲み込みやすくなり、一緒に空気も飲み込まれます。

また、ストレートネックや猫背も、うつむくことが多くなるので、とくにスマホやパソコン使用のときには要注意です。(※)

(※)ストレートネックについては、こちらの記事もご参考ください。

『スマホ病? 「ストレートネック」の原因と対策』

ウエストがきついファッション


お腹を過度に締めつけることで、胃腸に負担をかけるので、腹鳴が起こりやすくなります。

便秘や下痢


下痢や便秘をしていると、腸内環境も悪くなり、お腹にガスがたまりやすくなります。

腹鳴が大きな音になるのは、この場合が多いようです。

お腹の音を止める方法



腹鳴は病気ではありませんから、必要以上に気にしなくても大丈夫

です。

とはいえ、人前では恥ずかしかったり、周囲に不快な思いをさせるのでは?と悩んだり、自分も嫌な気持ちになったりしますよね。

腹鳴は、いわば自然現象のようなもので、完全に止められるわけではなさそうですが、対策や予防として次のようなポイントが挙げられています。

空気を思いきり吸う

一時的な対策として、空気をいっぱい吸って胃を空気で満たしてしまうと、収縮運動がストップし、音が鳴るのを防げます。

すなわち、緊急対策ですが、腹式呼吸なども同じ効果を持ちますよ。

背筋を伸ばす



背筋を伸ばすと腹圧が高まり、胃の活動を一時的に抑制できます。

猫背など姿勢が悪い方には、上半身の姿勢をよくするストレッチなどもおすすめです。

炭酸飲料やガムを控える



体内に空気やガスをためることを控えましょう。

水のがぶ飲みなども同様です。

食べ方の工夫



1日3食摂ること、朝食をしっかり食べることで空腹を抑える、早食いや刺激のきついもので胃に空気をためないなど、食事や食べ方の工夫も予防になります。

・胃のあたりに軽い刺激を与える

親指で胃のあたりを押してみる、または、マッサージするようにトントンとたたくと、空気の滞留感が減って、腹鳴が起こりにくくなる可能性があります。

・便通をよくする

便秘や下痢にならないよう生活を心がけましょう。


<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供