5年後、3人に1人が電気SUVに乗る時代が到来か?

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最近、街を走っているとある傾向に気づかないだろうか? それは、SUVが路上のクルマの3分の1を占めていること。まるでSUVが道路を支配し始めているみたいだ。

だから10月、東京モーターショーで発表された2台の未来的な電気SUVは、あなたが思うより重要な役割を果たしている。日産IMxと三菱e-エボリューションが、僕らのEV未来の重要な鍵を握っているのだ。

その理由を挙げよう。まず、全世界的にSUVの販売率が上がっている。2020年までに世界のシェアでは35%を超えるだろうし、米国ではなんと45%にもなる傾向だ。また、米国のLMCオートモーティブの世界予測によると、2001年には百数十種だったSUVが、2021年までには500種にもなるという。

その成功の秘密は、一般の乗用車のプラットフォームを採用することによって、セダン並みの燃費、乗り心地、走りを実現できることだ。使い勝手がよくて、アイポイントも高いので女性も男性も楽に運転できる。

同じく重要なのは、すべてのカーメーカーが今、急ピッチで開発している4つの項目、つまり、電動化、自動運転、つながる化、そしてAIだ。今回アンベールされた日産と三菱のコンセプカーは、各メーカーが抱えるすべての重要な技術が1台に詰まっていることがポイントとなる。

では、5年以内に、ユーザーの3分の1が乗っているだろうクルマの正体はいったいどんなものなのか? プロテインを飲みまくったような大きめのリーフに見える日産IMxは、サイズの調整ができる新プラットフォームを採用している。2022年までに、三菱も関わるルノー日産アライアンスでは、実は同一のプラットフォームが12車種に使われる予定。

このIMxには、前後に1つずつのモーターで駆動されるテスラのような4WDのツインモーターを採用しており、429hpを叩き出している。でも、そのパワーよりも、航続距離に目が点になる。日産が言う新型リーフの400km(リアルワールドでは300km前後だろうけど)に対して、IMxコンセプトはなんと600kmを可能にしていると言う。しかも、もうひとつ驚くのは、レベル4まで達したと言われる次期プロパイロットの最高級自動運転システムを採用していることだ。

トップレベルの自動運転を実現するために、IMxの未来ドライブシステムは12のカメラ、12のソナー・センサー、6つのレーザースキャナーを搭載するが、カメラとセンサーはそれぞれ個別の役割を持っている。

プロパイロット機能に入れると、完全自動運転モードがハンドルを折りたため、ダッシュボードの中にすっぽりと収納し、続いてスロットルとブレーキペダルは床の中に引っ込む。さらに、シートのリクライニングは、乗員の望みに応えて自動的に角度を変えてくれる。もちろん自動パーキングで、しかも走行しない時は、地域の電源グリッド上にエネルギーを貯蔵できるパワーポイントとして使える。

ところで、 IMxは歌う。EVは基本的に音を立てないが、導入されたシステム「Canto(カント)」は、多様な電子音を発して歩行者に知らせる。 これにはIMxを見た世界の人々が一様ににっこりとした。


三菱eエボルーション

一方の三菱eエボルーションは、今はまだコンセプトだが、今回のモーターショーでもっともスタイリッシュなSUVだった。ベルトラインが高く、エッジがシャープで、まるでウィル・スミスの主演映画「 i-Robot」のセットから抜け出して来たようだ。

やはり自動運転レベル4を達成し、ドライバーが「何も気にしなくていい」クルージングを提供する。ラリー常勝で高性能なレジェンドカー、ランサー・エボルーションに敬意を表して名付けられたeエボルーション。でも、僕としては正直なところちょっと首を傾げる。そんな名誉あるランサの 「エボリューション」 の名前をそんなに簡単につけていいのか、と。

運転好きが超尊敬し、超憧れた高性能の4WDラリーカーの本来の濃いエッセンスがすべて吸い取られて、なんかクルマのボディしか残らないような感じがする。少なくともファンは困惑するだろう。

たとえれば、5拍子だった巨匠ラロ・シフリン作曲の「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲が、トム・クルーズ主演の映画になったらラップっぽいサウンドで4拍子になっていた。世界の音楽好きなファンはどれほどガッカリしたことか。エボのファンもガッカリするだろう。三菱には自動運転の技術にエボの名前を使うのを考え直して欲しい。

それはともかくとして、日産と違って三菱は、航続距離を発表していない。このクロスオーバーはトリプル・モーターを採用する4輪駆動システムで、1つのモーターが前輪を、他方が後輪を制御する。またランエボで有名になったアクティブ・ヨー・コントロールも採用していくが、今度は電動化バージョンに変わる。ということは、あのランエボのコーナリング性能に迫る可能性を期待していいらしい。

IMxが日産の持つ最新のEV、AIテクノロジーを披露するモデルであるように、三菱もその看板である4WD電子駆動システムのノウハウとAI技術を融和させている。つまり、eエボルーションでは、クルマの中のAIが乗り手を理解し、その情報を常に蓄積していくことで、乗り手は「繋がっている」運転を経験できる。少なくとも、三菱のスタッフはそう話す。

AIは乗る人がどんな運転をするのかしっかりと観察し、音声アクティベーションによってエアコン、ヘッドライト、ワイパーをコントロールして、ドライバーの不手際を警告してくれる。

こういった機能やデザインの一部が将来のSUVで採用されるのだが、読者の多くが聞きたいのは、各メーカーはいかにして航続距離600kmを実現するのか、そして、いつ、どのように自動運転がレベル4に到達するのかということだろう。自動運転は、誰もが予想したよりも遥かに速く進化してきた。

だが、高速道路以外の一般道での自動運転を支えるインフラが整備されるのは、まだまだ遠く先のことだ。