米メディアは北朝鮮と同様に中国もグアム島を標的にしており、「中国軍機がグアム島に接近し、爆撃を想定した飛行訓練を行った」と報道。中国メディアは「公海上空での飛行は自由」と反応している。写真は北朝鮮の平壌。

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2017年11月4日、朝鮮半島有事の際、B1爆撃機などの出撃拠点となる米国領グアム島を標的にしているのは北朝鮮だけではなかった―。米メディアが「中国軍機がグアム島に接近し、爆撃を想定した飛行訓練を行った」と報じ、波紋を広げている。これに対し、中国メディアは「公海上空での飛行は自由」と反応している。

グアム島のアンダーソン空軍基地からは米韓合同軍事演習などのたびにB1爆撃機が朝鮮半島に飛来。これを敵視する北朝鮮は8月、中長距弾道ミサイル「火星12」4発を同時に発射し、島根県、広島県、高知県の上空を通過してグアム島周辺30〜40キロの海上に着弾すると威嚇していた。

米軍事専門紙「ディフェンス・ニュース」はこのほど、米国防総省関係者の話として「中国軍のH6爆撃機がグアム攻撃を想定した異例の飛行訓練を行い、ハワイ島近くにも爆撃機を飛ばした」と報道。「緊張が続く太平洋上で軍事活動を活発化させる中国の動きに、米国防総省は警戒を強めている」と伝えた。

記事は飛行訓練の時期について触れていないが、「グアムは北朝鮮だけでなく、太平洋の覇権を狙う中国の脅威にもさらされている」と言及。ダンフォード米合同参謀本部議長は「グアムとハワイの米軍基地は米国のアジア太平洋戦略の要であり、中国の急速なアジア太平洋進出は米国の安全保障を脅かす行為だとみている」ともしている。

さらに記事は「中国軍は2015年9月、核搭載が可能な中距離弾道ミサイル『東風26』を公開した」と指摘。グアムを核攻撃し無力化できる中国初のミサイルで、「中国の国防アナリストやメディア関係者らは『グアム・エキスプレス』『グアム・キラー』と呼んでいる」と紹介している。

一方、中国網によると、中国空軍の専門家は環球時報のインタビューに応じた際、「理論上、解放軍にはグアム島付近の空域に到達する能力がある」と説明。「新型中距離爆撃機のH6Kの最大航続距離は8000キロで、飛行半径は約3500キロだ。理論上、グアム島付近の空域に十分到達できる」と誇示している。

その上で「公海上空ではすべての国の航空機が自由に飛行する権利を持ち、他国はこれに干渉・妨害することは許されない」と強調。「米グアム島の航空機は頻繁に西太平洋で活動しているが、他国を頻繁に批判しており、全く理にかなっていない」と反論しているが、実際に中国軍の爆撃機がグアム島に接近したかどうかは「米国防総省が放った煙幕かもしれず、観察が必要だ」と述べるにとどまっている。(編集/日向)