「芸術の秋」はビジネスマンこそ体感すべきである【魂が燃えるビジネス】

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いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第23回

 食欲の秋。スポーツの秋。読書の秋。秋は何をするのにも適した季節ですが、私のオススメは「芸術の秋」です。芸術鑑賞はどんな仕事をしているか、あるいはどんな生活を送っているかに関係なく、その人のヒントになりうる影響力があります。

 去年、サントリー美術館で「ガレ展」が開かれました。エミール・ガレはアールヌーボー時代を代表するガラス工芸家です。アールヌーボーは植物や昆虫などをモチーフにする芸術ですが、彼もその例に漏れません。

 ただガレの場合、時代の流行という理由だけで、そうしたガラス工芸を作っていたのではありません。彼は子供の頃に出会った一冊の本によって植物に魅せられ、大人になってからも植物学者として論文も出すほど関心を持ち続けました。

 つまり、彼は単に流行に乗っただけでなく、もともと植物が好きでそれを自分の仕事に生かしていたのです。ここには「好きこそものの上手なれ」という普遍的なヒントがあります。ガレ展ではこうした経緯について、実際の作品と解説を通して学ぶことができました。

 私は芸術についてまったくの素人です。ガレに関する説明も、展示品の解説で知ったにすぎません。そんな素人にも、きっかけやヒントを与えてくれるのが芸術です。

「好きこそもの上手なれ」は誰でも知っていることわざです。しかし、ことわざを単に言葉として知っているだけでは、表面的な理解で終わってしまいます。

 芸術作品ならば絵画、建築、ガラスといった実体があります。実体が伝えてくるリアリティは言葉よりも強く、その人の印象に深く残ります。それが芸術の素晴らしさだと思います。

 芸術と聞くと、私たちはつい身構えてしまいます。たしかに専門家にしかわからないような深い領域もありますが、「生活を豊かにする芸術鑑賞」ならば私たちにも十分可能です。

 もし芸術が単に芸術家の偉大さに触れるだけならば、凡人である私たちはそれに打ちのめされるしかありません。しかし、芸術の目的がそんな被虐的であるはずがありません。また愛好家や評論家だけのもの、ということもないでしょう。

 だとすれば私たちと芸術家の間には何かしらの共通点があるはずです。その共通点を通して彼らと繋がることができれば、私たちはそこから自分が生きていく上のヒントを学べます。

 そして、その共通点は自分の暮らしに見出せます。ポスターやCM、あるいは電車の中吊り広告でたまたま見かけた美術展がやけに気になる。そんな時に足を運んでみると、大抵は何かしらの教訓が見つかります。それは自分だけの納得かもしれません。でも、だからこそ個性や感性に繋がります。私たちはいつでも悩みや課題を抱えていますが、同時にその答えにもおおよそ感づいているのです。

 文化の日こそ過ぎましたが、芸術の秋はまだまだ残っています。「そういえばこないだ見かけて、ちょっと気になったな」という美術展があればぜひ出かけてみて下さい。きっと良い収穫があるでしょう。

【佐々木】
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」