川崎が断ち切れなかった“負の歴史”と中村の悔い 「最初の1点」で揺らいだ“平常心”

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開始47秒の失点で狂った歯車 直面した「今シーズン初めて」の事態

「最初の1点がゲームの構図を決めてしまった」と、川崎フロンターレのMF中村憲剛は試合展開を悔やんだ。

 4日のルヴァンカップ決勝で、川崎はセレッソ大阪に0-2で敗れて準優勝となった。勝ち切れない歴史を断ち切れなかった“ミスター・フロンターレ”は、またしても決勝の試合後に「悔しいですね」という言葉を残すことになってしまった。

 試合開始47秒で生まれた最終ラインのミスによるまさかの失点は、チームの歯車を狂わせてしまった。川崎はリーグ戦で31試合32失点と、そこまで守備の緩いチームというわけではない。しかし、中村は「今シーズン初めて」の事態が決勝の舞台に訪れたことを嘆くように話した。

「まず、(試合の)最初で失点したというのは、今シーズン初めてだと思う。それが決勝で来るのが難しいというか。スキを見せずにスキを突こうというところから失点してしまった。これまでも先に点を取られたところから、跳ね返した試合はいっぱいあったけど」

 中村が語った通り、川崎は逆に31試合64得点の圧倒的な攻撃力を持つ。1点のビハインドなど跳ね返せるという思いをチームが持つのは自然なことだ。しかし、この日は普段のリーグ戦ではなく決勝戦だった。中村は「今日で一つ違ったのは…」と、決勝ならではの試合展開になってしまったことを悔やんだ。

「1点は仕方ないけど得点できなかったのは…」

「向こうは割り切って守備に入って、死に物狂いでその1点を守ろうとしてきたこと。前半からチャンスっぽいものはあったけど、ゲームの構図がそうなってしまった。1点は仕方ないけど、得点できなかったのは悔しい。自分もそうだけど、決め切るところ、シュートの場面で冷静にならなければいけなかった。焦りがないとは言えないと思うけど、自分たちのバイタルに入れたボールを潰しに来ていた。向こうは常にそこを狙っていたので、こちらは神経質になるし、向こうは狙いやすくなる。最初の1点で、そういう構図にしてしまった」

 普段通りにやれば勝てるはずが、普段通りにやらせてもらえないのが決勝戦。これで中村がルヴァンカップで、勝者がカップを掲げる姿をピッチから見上げるのは4回目になった。強いチームと優勝するチームの違いという、川崎に突きつけられている“永遠のテーマ”への回答は、またしても先送りとなってしまった。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images