トリナ・ソーラーの両面ガラスパネルが採用された大阪市の物流施設

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 2012年の固定価格買い取り制度(FIT)の開始後、太陽光発電は爆発的に普及した。4000万キロワットが稼働しており、水力を除くと再生エネのトップバッターとなった。

 だが、課題も次々と吹き出した。真っ先に指摘されるのがコストの問題だ。日本の太陽光発電の費用は海外の2倍。電力会社が太陽光の電気を買い取る費用は、電気代と一緒に徴収する賦課金で賄う。高コストのままだと「賦課金が国民負担」という批判は収まらない。

 太陽光発電業界からは、目標が低いという声が聞かれる。政府は30年には全電源に占める太陽光の比率が7%になると見通す。現状の政府への申請分だけで7%を突破する。目標の上方修正のためにもコスト削減が必要だ。

ソーラーフロンティア・平野敦彦社長に聞く
 ―日本は再生エネの後進国でしょうか。
 「水力を除いた再生エネ比率は欧州から劣後しており、後進国と言われているも仕方ない。FITから自立していく次のフェーズに向けてエンジンがかかっていない」

 ―高いコストを下げるには。
 「太陽光パネルは国内外とも、同じようなコストになっている。だが、設置コストは高い。なぜ高いのか示していかないといけない。意志次第でいかようにも変革できる」

 ―意志次第とは。
 「政府が示した30年の太陽光比率7%は、ブレークスルーを呼び込むほどの数字ではなく、頑張ってコストを下げようとなりにくい。政府は太陽光が安定電源となるように不安を払拭しようとしており、我々も責務を果たす。そのためにも意欲的な数字が必要だ」

 ―東北などの電力系統では、再生エネからの電気を受け入れる容量が減っています。
 「電源の分散化が第一。発電した電気を自宅や地域で使えばそれだけ系統への負担を緩和できる。まずは我々が分散電源化を進めて自ら緩和に貢献していく。最近、自家消費の提案に市場からの反応が良くなっている」

 ―平野社長が代表理事を務める太陽光発電協会は50年に2億キロワットを導入するビジョンを公表しました。
 「業界として30年の1億キロワットは見込めており、次の目標を定めた。技術も広げる。発電した電気を交通機関の走行、冷暖房の熱源としても利用する“セクターカップリング(分野連動)”の発想が必要だ」

【記者の目】
 造成費や工事費がコスト高の要因だ。また、電力系統につなぐための工事負担金が高額で、鉄塔などの一部部材はコストが不透明と指摘されている。平野社長が言う通り、再生エネを増やす明確な意志があれば、規制緩和などでコストを下げられるだろう。自家消費を促進する制度づくりも急ぐ必要がある。
(松木喬)