トランプ大統領が、5日に日本に到着し、13日間のアジア歴訪を開始する。写真は11月3日、ハワイに到着したトランプ大統領夫妻(JIM WATSON/AFP/Getty Images)

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 トランプ米大統領は5日から、就任後初めてアジアを訪問する。安倍晋三首相をはじめとする各国の首脳との会談で北朝鮮の核・ミサイル問題への対応が重要議題となる。

 9月15日のミサイル発射を最後に、北朝鮮は新たな威嚇行為を起こしていない。韓国国情院は2日、北朝鮮の研究施設で活発な活動が見られ、新たなミサイル発射実験を実施する可能性があると国会で明らかにした。トランプ氏のアジア訪問中、挑発に及ぶ可能性があると取りざたされ、各国は警戒を強めている。

 これまで北朝鮮問題のキーマンと見なされる中国・習近平国家主席に目立った動きはなかった。10月下旬に終了した第19回中国共産党代表大会で、習氏は最高指導部人事を大幅に刷新した。党内反対派を完全に排除できなかったものの、自身の部下を指導部に多数登用するなど、権力基盤の強化に成功した。

 米国側は、中央の重要人事が決まる党大会までは、習氏は北朝鮮問題に手が回らないとみなし、北朝鮮問題について中国側に対応を急かさなかった。10月22日、FOXニュースのインタビューで「習主席がそれ(権力)を獲得するまで、とても静かな姿勢で状況を維持したい」と述べた。

 しかし、動きの鈍い習氏にトランプ氏は業を煮やしたのか、11月2日の同メディアの取材で、中国に対し、北朝鮮の脅威が対処されなければ「武士の国」と例える日本が事に当たる可能性もあると警告した。

 いっぽうで、北朝鮮の金正恩労働党委員長は、中国の党大会に祝電を送り、これに習氏も返電している。実際、金氏の祝電は前回の3分の1以下に減り、中国外務省は答電について「礼を尽くすため」と儀礼的なものであると説明した。中朝関係の冷え込みが浮き彫りとなるなか、一強体制を確立した後、習氏は北朝鮮問題にどのような手を打つか、注目される。

 毎日新聞は4日、日本政府関係者の話として、トランプ大統領と安倍首相との会談では、北朝鮮が非核化を断念せず、ミサイル発射や核実験を続けた場合などの「軍事的な圧力強化についても意見が交わされる可能性はある」と報じた。

 同じ日に、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は「米国は、核武力完成との終着点に至ったわれわれが、強引な要求に応じるという妄想を捨てなければならない」と主張。「特に、われわれとの非核化交渉は夢にも見てはならない」と述べた。米国主導の対話の道は、ほぼ閉ざされた。

 トランプ氏は「すべての選択肢はテーブルの上にある」と軍事的対応の可能性を示唆してきた。安倍首相はこうしたトランプ政権の姿勢を支持している。また、アジア滞在を1日伸ばし、14日にマニラで開く東アジアサミットにも出席する。米ホワイトハウスは10月、大統領の歴訪の目的について「北朝鮮問題で緊張が高まるアジア地域で、米国の関与を明確にし、朝鮮半島の非核化に向けた国際的な決意を強化するため」と発表している。

(編集・李沐恩)