車載用リチウムイオン電池市場が拡大する中、主要部材のシェアは中国がトップで、日本は2位にとどまっている。

 矢野経済研究所は10月20日、車載用リチウムイオン電池世界市場に関する調査結果を発表した。調査は4月から9月にかけて、日本、欧州、米国、韓国、中国の自動車メーカーと、日本、韓国、中国の車載用リチウムイオン電池メーカーを対象に実施された。

 2016年の車載用リチウムイオン電池世界市場規模は、前年比52.6%増の46.6ギガワット時に拡大した。ドイツが2030年から、イギリスとフランスが2040年からガソリン車の新車販売を禁止すると発表するなど各国政府が積極的にEV普及政策を進めているほか、中国を中心にPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)とEV(Electric Vehicle)の販売が急拡大したことが市場拡大に貢献した。

 2017年の同市場は、世界市場をけん引してきた中国が新エネルギー車に支給する補助金を20%削減。さらに好調だったEVバスの補助金の支給基準を厳格化するなどしたため、市場は拡大するものの成長は鈍化し、2017年は前年比23.3%増の57.5ギガワット時と予想している。その後の同市場は2020年に119.7ギガワット時、2025年に254.9ギガワット時に拡大すると予想している。

 矢野経済研究所はまた、10月17日にリチウムイオン電池主要4部材世界市場に関する調査結果を発表。調査は3月から9月にかけて、日本、韓国、中国、欧州などのリチウムイオン電池部材メーカーを対象に実施した。リチウムイオン電池は十数点以上の部材・材料から構成されるが、正極材、負極材、電解液(電解質)、セパレーターを主要4部材とした。

 2016年のリチウムイオン電池主要4部材世界市場規模は前年比40.1%増の98億7,745万ドルで、2017年は約127億9,956万ドル、2020年には220億8,816万ドルまで拡大すると予想している。

 2016年の主要4部材の国別シェアをみると、トップはいずれも中国で、正極材で67.7%、負極材で76.6%、電解液75.0%、セパレーターで49.6%を占めた。なお、日本のシェアは正極材で13.6%、負極材で19.6%、電解液20.6%、セパレーターで39.8%となり、いずれも第2位だった。

 電気自動車の普及で車載用リチウムイオン電池の需要が急速に拡大する中、主要部材のシェアは国内に大きな市場を持つ中国がリードしているようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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