「なんでこうなっちゃったのかな…」 川崎の主将FW小林、“4度目の準優勝”に後悔の念

写真拡大

ルヴァン杯決勝でC大阪に0-2、圧倒的にボールを保持しながら無得点に終わる

 またしても、あと一歩のところでタイトルに手が届かなかった。

 川崎フロンターレの主将FW小林悠は、0-2で敗れたルヴァンカップ決勝のセレッソ大阪戦を終え「なんでこうなっちゃったのかな……」と、敗戦のショックに打ちひしがれた。

 試合開始47秒で最終ラインにミスが出て先制されるという、あまりにも想定外の展開だった。しかし、主将として小林は「最初の失点は仕方ないですよ。誰にでもミスはあるものですから」と、DFエドゥアルドをかばった。むしろ、攻撃的なサッカーを標榜するチームでありながら無得点に終わってしまったことについて、悔しさと後悔の念が襲った。

「チームが全体にミスが多くて、いつも通りのプレーができていない選手が多かったなと感じました。押し込んでいて、決められると思いながらやっていたけど、ミスでカウンターを受けて。ペナルティーエリア付近での精度が低かったと思います」

 小林は後半に2回シュートチャンスを得たが、いずれも体勢が不十分で強いボールを飛ばせなかった。むしろ、圧倒的にボールを保持しながらシュート11本に終わったチームと、ゴールに最も近い位置にいるはずの小林が2本しかシュートを打てていないことについて、戦術面にも原因があったと話している。

「普段通りにプレーできていなかったと思う」

「(右SBの)エウソン(エウシーニョ)にボールが入った時に、自分がサイドに流れて起点を作ってくれというスカウティングからの準備があったんですけど、それによってゴール前が人数不足になったのは動きながら感じていました。そこに入ってきてくれというのはハーフタイムにも言ったんですけど。サイドに流れたことで、中にゴールを決める人数がいなかった」

 C大阪が中央を固めてきたため、我慢してゴール前にいるよりも小林がボールサイドに流れて、ペナルティーエリアにサイドから侵入していく戦術だった。しかし、そこに入り込んだ後に肝心のフィニッシュを行う選手がペナルティーエリアにいなかった。そして、ボールが回ってくるたびに前が空いていてもシュートを打たずにパスを選択し続けたチームは、次第にボールを持っているだけの存在になってしまった。

 川崎はリーグ戦でも、相手が守備的に臨んでくることに慣れているチームの一つだ。それでも相手守備陣をこじ開けてきたからこそ、リーグ31試合で64得点と1試合平均2点を超えるゴール数を叩き出してきた。それでも、チームは決勝という舞台に押しつぶされた。

「シュートは少なすぎると思いますし、そこは個々のメンタルだと思う。決勝ということがあるのか、普段通りにプレーできていなかったと思うので。僕たちはブロックを作られても崩せるチームだと自信を持っているけど、最後の手前まで行くけど、そこから精度が低くて。今日は、なんでこうなっちゃったのかな……」

“シルバーコレクター”の呪縛を解き放てず

 川崎はこれで4回目のルヴァンカップ決勝(前身のヤマザキナビスコカップ含む)の舞台を踏み、4回目の準優勝。リーグ、天皇杯を含めて国内主要タイトルの獲得がなく、同様の状態でこの日を迎えたC大阪に先を越されてしまった。それでも首位の鹿島アントラーズと勝ち点4差の2位につけるリーグ戦は、川崎にとって最後の希望だ。インターナショナルマッチウィークを挟み、18日の本拠地ガンバ大阪戦が次戦になる。

「すぐには切り替えられないです。目の前にチャンスがあって勝てない弱さを感じるので。ここで1回オフに入って、そこでチームが崩れてしまってはもったいない。また集まった時に、残り3試合は自分たち次第。キャプテンとして引っ張っていきたい」

 もどかしさばかりを抱えながら、小林はスタジアムを後にした。国内の主要3大タイトル全てで2位を経験し、“シルバーコレクター”と言われ続ける川崎の負の歴史は払拭できずに続いてしまった。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images