ルヴァン杯”今季初出場”で決勝点&MVP 檜舞台で杉本が示した仲間への「感謝と責任」

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「絶対オレが決めたる」と開始47秒で電光石火の決勝ゴール

 決勝戦のみの出場で、決勝点とMVP――。

 開始47秒でのゴールとともに、セレッソ大阪の日本代表FW杉本健勇のルヴァンカップ決勝を語る上でのポイントとなった。電光石火の先制ゴールについて喜ぶ以上に、決勝の舞台に連れてきてくれたチームメイトたちへの感謝の念を何度も口にした。

 Jリーグで得点王を争い、日本代表にも招集されるようになるなど、今シーズンついに覚醒した杉本。5万人超が詰めかけた埼玉スタジアムで、試合前から「最初のチャンスを絶対に取ろうと話していた」杉本の前に、決定機が1分も経たずに訪れた。

 浮き球のボールを川崎DFエドゥアルドがコントロールミスしたところ、ボールがこぼれて川崎GKチョン・ソンリョンとの1対1に。「絶対オレが決めたる」の意識で蹴り込んだボールは、ゴール右へと吸い込まれた。結果的にこの一撃でリードを奪ったC大阪が、初タイトルへと一気に近づいた。

 その後チームは押され気味の展開となったものの、「(川崎にボールを)回されると分かっていた。ある程度プラン通りだった」と、自陣に戻って相手MF大島僚太に激しいチェックをするなど、チームの勝利のために奮闘した。そのモチベーションの源として「ルヴァンで戦ってきたメンバー」への思いがあった。

「勝ったチームが強い! やっと言えたわ!」

 冒頭で触れた通り、杉本は今季のルヴァン杯で準決勝までの7試合すべてに出場していなかった。ユン・ジョンファン監督が若手・中堅・ベテランとバランス良く起用する方針によってたどり着いたプロセスだっただけに、杉本にとっても思うところがあったようだ。

「僕は(準決勝までの)ルヴァンにベンチにも入ってなかったので、ホントにここまで連れてきてくれた、ルヴァンを戦ってきてくれたメンバーに、しっかり責任を果たさないといけないと思っていました」

 その言葉はMFソウザのゴールで2-0となり、タイムアップの笛が鳴って歓喜の輪ができたシーンでも明らかだった。ベンチで勝利の瞬間を見届けたメンバーのところにダッシュするとジャンプして抱きつき、繰り返し拳を振り上げてガッツポーズした。今まで戦ってきてくれたチームのためにーーそんな思いを爆発させた瞬間だった。

「勝ったチームが強い! やっと言えたわ!」

 クラブ史上初の栄冠に、最後まで喜色満面だった杉本。ブラジル、ベルギーと対戦する日本代表の11月シリーズでも活躍が期待される男は、最高の状態でハリルジャパンへと合流する。

【了】



茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images