中国外務省の華春瑩報道官は、国連軍縮委員会が、宇宙の軍事化防止を強化する目的で採択した決議の中で、「習近平思想」の一部とされる「人類運命共同体の構築」が採用されたことを「史上初」などと強く称賛した。写真は習近平氏と毛沢東氏。

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中国外交部(中国外務省)の華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は3日、国連総会第一委員会(軍縮と国際安全委員会/国連軍縮委員会)が、宇宙の軍事化防止を強化する目的で採択した決議の中で、「習近平思想」の一部とされる「人類運命共同体の構築」が採用されたことを、「史上初」などと強く称賛した。

中国共産党は10月24日に閉幕した党大会で、党規約に「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を盛り込むことを決めた。同党・習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)を建国の父とされる毛沢東主席と同格に権威付けたとみなされている。

いわゆる「習近平思想」の内容は多岐に及ぶが、外交面については「中国の特色ある大国外交により新型の国際関係を構築」「人類運命共同体の構築を推進」の2つを柱としている。名指しはしていないが米国を強く意識し、米中二大大国が主導する世界秩序を構築する意図を読み取ることができる。

また、習総書記が共産党大会の冒頭で発表し、閉幕時に採択された「報告」で、各分野における目標達成の時期を「今世紀半ば」と規定している。

一方で、2日に閉幕した国連軍縮委員会は「宇宙空間における軍拡競争を防止するためのさらに的確な措置」「宇宙空間に最初に武器を配備しないこと」の2つの決議の中に、中国が提案した「人類運命共同体の構築」を盛り込んだ。

華報道官は、決議に「人類運命共同体の構築」の表現が盛り込まれたのは「国連総会軍縮委員会の歴史で初めてであり、国連における国際安全分野の空白を埋めるものだ」「人類運命共同体の構築は、大多数の国家の普遍的期待を反映したもので、国際社会共通の利益に合致」「中国の理念は国際的にまさに、ますます多くの支持を得ており、国連会議でもまさに、ますます多くの反応を得ている」などとコメントした。

科学技術・経済・軍事力の発展にともない、一国の挙動が全世界に影響を及ぼす事態が増え続けている。したがって、多くの国が「人類運命共同体」の考え方に賛同を示したことは自然な流れと言ってよい。

しかし中国においては、国連総会で設けられている5つの委員会の筆頭とされる軍縮委員会の決議に「習近平思想」のひとつである文言が盛り込まれたことが、習総書記の権威を高めるための政治的材料として使われている。

華報道官は「中国共産党第19回全国代表大会が勝利のうちに閉幕した直後に、人類運命共同体の理念が国連軍縮委員会の決議に盛り込まれた」と説明した。同説明にも、「習近平思想は国際的にも高く評価されている」として、習総書記の国内向け権威付けに最大限に利用しようとする中国当局の意図を見ることができる。(翻訳・編集/如月隼人)