中国メディアが日米豪印4国による戦略対話に神経をとがらせている。新たな対中包囲網の形成とみているためで、「戦略協力に傲慢と偏見、嫉妬と敵視を深く隠すならば、前向きな影響をもたらすことはない」と批判している。写真は天安門。

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2017年11月3日、日本、米国、オーストラリア、インド4国による戦略対話に中国メディアが神経をとがらせている。アジア太平洋地域で連携を強化する新たな対中包囲網の形成とみているためで、「戦略協力に傲慢(ごうまん)と偏見、嫉妬と敵視を深く隠すならば、前向きな影響をもたらすことはない」と批判している。

日米豪印の戦略対話は、安倍晋三首相が2007年に第1次内閣で提唱した枠組み。日米豪、日米印の外相会談や次官級協議など一部が定例化したが、中国との摩擦を避ける思惑から4カ国首脳の協議は実現しなかった経緯がある。

米国のトランプ大統領の日本を含むアジア訪問を控えた10月末、河野太郎外相は日本メディアとのインタビューで、4カ国の首脳級でつくる戦略対話の実現を目指す考えを表明。南シナ海からインド洋を経て、アフリカに至る地域を中心に自由貿易を推進し、防衛協力も念頭に置いている。河野外相は名指しを避けたが、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」などを掲げて海洋進出を強める中国に対抗する狙いがある。

これについて中国網は「4カ国の戦略対話は政治的に、いわゆる『価値観』を基礎としている」と指摘。「安倍首相は10年前にこの構想を打ち出し、『価値観外交』により大義名分を与えようとした。これは安倍首相の中国に対する、価値観をめぐる優越感を示している」とみている。

中国としては「米日豪印が心を一つにして協力し、インド洋・太平洋諸国のインフラ整備と経済発展を本当に支持するならば、当然ながら拍手し歓迎する」と強調。しかし、「経済発展問題に無理に価値観をこじつけようとし、戦略協力に傲慢と偏見、嫉妬と敵視を深く隠すならば、インド洋・太平洋地域に安定的かつ前向きな影響をもたらすことはない」と非難している。

さらに「安倍首相は昨年、『自由で開かれたインド・太平洋戦略』を打ち出し、オバマ大統領は『アジア太平洋リバランス』や環太平洋連携協定(TPP)などの構想を打ち出した。その多くが中国けん制という目的を持っている」と説明。「彼らがこのような発想にしがみつき、後ろめたい役割を演じるならば、千載一遇の好機を逃し、この偉大なる時代を台無しにすることになる」としている。

中国網は別の記事で「インドと日本のシーパワーはインド洋の主要航路付近で3日間の高強度対潜戦合同演習を開始した。インド海軍は米国から輸入した新型P8I長距離対潜哨戒機2機を、海上自衛隊は米製P3C対潜哨戒機2機を派遣した」と報道。中国の軍事専門家の「中国海軍のインド洋における正常な航行にいちゃもんをつけている。このようなやり方は理解に苦しむ」との見方を紹介している。(編集/日向)