せめて無害な存在でいたい

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 寄る年波には勝てない。だが、できれば「クソオヤジ」との呼称は頂きたくないのが人情である。備えあれば憂いなし。コラムニストの石原壮一郎氏が「クソオヤジ力検定」を作成した。

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 おっさんは、あらゆる場面で若者、とくに若い女性から「このクソオヤジ!」と思われるリスクを背負っています。さすがに面と向かって言われることはありませんが、それだけに自覚がないままどんどんクソオヤジ化が進行してしまいかねません。自分を律して、せめて「無害なおっさん」のポジションをキープしたいところです。

 転ばぬ先の杖というか、危機管理能力を磨くというか、高得点になるほど悲しい「クソオヤジ力検定」を作ってみました。今回のテーマは会社の飲み会。いろんな年代の男女数人ずつが参加している設定です。それぞれ、あなたが「もっとも適切」と思う選択肢を選んでください。

問1 目の前に大皿のサラダが運ばれてきた。向かい側の女性がトングを持ち、全員に取り分けようとしている。「はい、どうぞ」と渡されたが、さて、どう言えばいいか?

【1】せっかくの好意なので「おっ、気が利くねー」とホメる
【2】「なるほど、これが噂の『サラダ取り分け女子』か!」と感心する
【3】「あっ、いや、なんかごめん。ありがとう」とうろたえる

問2 ちょっと遅れてやってきた部長が、参加している女性の中でいちばん年上の40代女性の隣りに「特等席、いいかな」と言いながら座った。望ましい合の手は?

【1】「さすが、抜かりないですね」
【2】「アハハ、部長も冗談がきついですねー」
【3】「うらやましいなー。あとで代わってくださいね」

 はたして、あなたが「もっとも適切」と思った選択肢は、どのぐらいクソオヤジっぽいか。回答を見てみましょう。5点が満点です。

問1「サラダを取り分けてくれた」の回答

(5点)【1】せっかくの好意なので「おっ、気が利くねー」とホメる
(4点)【2】「なるほど、これが噂の『サラダ取り分け女子』か!」と感心する
(0点)【3】「あっ、いや、なんかごめん。ありがとう」とうろたえる

問1の解説

 クソオヤジっぷりがタダ漏れしてしまう状況です。【1】のように「気が利くねー」とホメたら、ほかの女性が気が利かないと非難しているようにしか聞こえません。【2】の「サラダ取り分け女子」は、けっしていい意味ではない呼び方。取り分けた女性としては、こう言われたら極めて不愉快でしょう。【3】のようにうろたえて、女性が取り分けることを当然と思っているわけではないスタンスを示せば、クソオヤジと思われることを回避できます。

問2「部長の『特等席』発言」の回答

(0点)【1】「さすが、抜かりないですね」
(5点)【2】「アハハ、部長も冗談がきついですねー」
(3点)【3】「うらやましいなー。あとで代わってくださいね」

問2の解説

 部長がいちばん年上の女性の隣りを「特等席」と言ったのは、ギリギリの線ではありますが、小粋な大人の配慮と言えるでしょう。【2】のように冗談呼ばわりするのは、クソオヤジっぽさ全開の失礼で無神経な所業です。うらやましがる【3】もわざとらしさがにじみ出ていて、その40代女性はもちろん、ほかの女性にも「このクソオヤジ!」と思われるでしょう。【1】ぐらいの言い方でさらりと流せば、クソオヤジ感を最小限に抑えられそうです。

2問の合計点で、あなたの「クソオヤジ度」がわかります。

◯10点のあなた「クソオヤジ度100%」

 救いようのないクソオヤジです。たぶんもう手遅れなので、開き直って生きていってください。自分がクソオヤジであるという自覚を持てたのは、不幸中の幸いです。

◯7〜9点のあなた「クソオヤジ度80%」

 押しも押されもせぬクソオヤジです。さらに念入りなクソオヤジにならないように、自分の言動を振り返ってみましょう。周囲の寛大さに感謝する気持ちも忘れずに。

◯3〜6点のあなた「クソオヤジ度50%」

 そこそこ立派なクソオヤジです。まだ自覚症状はなくても、油断やうぬぼれは禁物。周囲の若者は、あなたの中にクソオヤジの気配を十分に感じ取っているはずです。

◯0〜2点のあなた「クソオヤジ度30%」

 どうにかセーフなクソオヤジです。ただ、どんなに気を付けていても、クソオヤジウイルスの魔の手から逃れることはできません。謙虚に誠実に生きていきましょう。