「なぜ幸せな恋ができないのか」がわかる!? 脱“少女マンガ脳”的恋愛論

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少女マンガは、やっぱり恋愛のバイブル!と思っている女性は多いのではないでしょうか?でも、今回ご紹介する本はちょっと違います。

「少女マンガ脳では幸せになれないかも!?」という問題定義をしている一冊なのです。気になる内容を少しご紹介しますね。

■AV監督が“恋愛”を考える


その本は『僕たちは愛されることを教わってきたはずだったのに』(二村ヒトシ/角川書店)。著者はAV監督の二村ヒトシさん。

最近は『すべてはモテるためである』『あなたはなぜ「愛してくれない人」を好きになるのか』(いずれもイースト・プレス)など、恋愛エッセイの著者としてもお馴染みです。そんな二村さんが、今回は少女マンガを題材に恋愛を考えました。

二村さんが実際に読んできた少女マンガということで、選ばれているのは若干、懐かしさを感じる作品たち。『風と木の詩』『メイプル戦記』『綿の国星』『ガラスの仮面』など7作品が取り上げられています。

■セックスを振り返るいい機会に


この本の中で「セックスは重要なのか?」というテーマでピックアップされた『メイプル戦記』(川原泉/白泉社)は、女性だけの野球チームが発足され、巻き起こるあれやこれやというコメディ仕立てのストーリー。
少女マンガの最大のテーマであるロマンチックな恋愛が登場しないことが論じられています。

もちろん『メイプル戦記』にはベッドシーンなどは描かれていません。AV監督である二村さんいわく、セックスはすべての人間にとって重大事だと思っていたが、そうでもなかったのかもしれない、とのこと。セックスに関してじっくり考える、いい機会になりそうな分析なので、ぜひ一読してみましょう。

■なぜ私たちは恋愛で苦しむの?


『少年は荒野をめざす』(吉野朔実/集英社)を取りあげた回のテーマは「なぜ恋愛で苦しむのか?」。ここでは愛と恋の違い、運命の人とは?のほか、恋の終わらせ方についても語られています。

この章は、二村さんの恋愛エッセイに近い雰囲気があるので、自分はなぜ幸せな恋愛ができないのか?と悩む女性には特におすすめです。

■「がんばる」ってどういうこと?


そして、お馴染みの国民的少女マンガ『ガラスの仮面』(美内すずえ/白泉社)を取り上げた章では、「がんばる」とは」何か?を考察しています。

主人公マヤとライバル亜弓の関係を論じつつ、愛される、愛されない、に関しても書いています。また、女性の劣等感やコンプレックスにも触れているので、自分を好きになれない人、頑張りすぎの人にとってヒントになるかもしれません。

なお、マヤと紫のバラの人の恋にまつわる、これからのストーリー展開も予想していて、楽しめます。

■終わりに


少女マンガからは、たくさんの恋愛のヒントを得られますが、一方で、恋愛はこうであるという刷り込みや、これではいけない、という執着なども生まれる一因になっていそうです。

この本を読んで、自分が少女マンガ脳に陥っていないかチェックしてみてはいかがでしょうか。少女マンガ的な思考をストップすれば、大人の恋ができるようになるかもしれませんよ。

ライタープロフィール


天野りり子
ライター/編集者
大学在学中からライター&編集稼業をスタート。女性誌ではビューティ&ヘルス企画、男性誌では恋愛記事を多数執筆、書籍編集も手がける。
趣味は読書とタロット占い、そして恋バナを収集すること。