東方神起、ベスト盤ヒットの背景 “復帰作”と“根強い人気”以外にも理由が?

写真拡大

【参考:2017年10月23日〜2017年10月29日週間CDアルバムランキング(2017年11月6日付・ORICON NEWS)】(https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2017-11-06/)

 11月6日付週間シングルランキング1位は東方神起のベスト『FINE COLLECTION〜Begin Again〜』。なんと初週だけで13万枚超え!

(関連:東方神起、活動休止期間中の思いを語る ユンホ「大切さに気づくようになりました」

 ともにK-POPのトップを走っているBIGBANGの『MADE』が初週で10.1万枚、J-POPの王者である桑田佳祐『がらくた』の同記録が16.8万枚だったと書けば、この数字の凄まじさは伝わるでしょうか。二年前、彼らは兵役義務のため活動休止に入りました。本作がようやくの復帰作、このあとすぐに日本での5大ドームツアーが控えているので、ファンの飢餓感が爆発した結果とも言えるでしょう。

 次々とフレッシュな新人が登場しているK-POPですが、やはり東方神起の人気は根強い。そして、早い段階から日本語を特訓、日本でのK-POPブーム火付け役となったグループゆえに、日本語の歌詞がとてもスムーズ。前回の当コラム(参考:日本人が海外アーティストに求めるものは? アリアナ・グランデ&BTSが並ぶチャートから考える)で「BTSのニューアルバムに日本盤は必要か」と書きましたが、それは日本語バージョンに違和感のあるK-POP楽曲が近年特に多いから。発音の問題というよりも、「イントロが鳴ったら、歌が入ってくるのを待つ」日本人の感覚と、海外のR&Bやヒップホップ最前線にシンクロしていくK-POPサウンドの感覚にズレが生じているから。その意味で東方神起は「ちゃんと歌を聴いてもらう」ことを前提とした作りの、やや前時代的なグループと言えるでしょうか。ともかく、聴いていて何も違和感がないのはストレスフリーです。

 K-POPをまったく聴かない人もご存知でしょう。「東方神起って分裂したんじゃないの?」と。騒動が起きたのは2009年の末のことで、事務所に残った2人が現在の東方神起。去っていった3人は現在JYJ名義またはソロとして活動中です。ただし3人は現在まで音楽番組などに出ることが難しい状態。これ、どうしたってSMAPの解散騒動を思い出してしまう話なのですが、ジャニーズ残留派を擁護すれば「新しい地図」のやり方はなんだか違うように見える、逆に「新しい地図」の挑戦を支持するならジャニーズ残留派の動きがもどかしく見える、といった具合で、ファンの心情はかなり複雑なよう。もちろん、どちらもずっと応援しているファンも多数ですが。

 そして東方神起の新作は、二人体制になってからのベストでありながら、五人組時代の曲をリテイクした3曲にも注目が集まっていました。また聴けるのが嬉しいという人もいれば、あの5人のコーラスがないことを寂しく思う人もいる。考えれば考えるほど複雑な気持ちになりますが、分裂なんてしてほしくなかった、やっぱり5人に戻ってほしいという声があるのが実情です。

 13万枚というセールスには、「兵役からの復帰作」「2人になっても東方神起人気は根強い」というだけではない事情が滲んでいるようです。(石井恵梨子)