新浪網は2日、米国防総省関係者が中国軍のH−6K爆撃機がグアム攻撃を想定する演習を行ったと述べたことに対して、「不可能であるし、攻撃するとしても必要ない」と主張する記事を発表した。写真はH6K。

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中国メディアの新浪網は2日、米国防総省関係者が中国軍のH−6K(轟−6K)爆撃機が米軍の太平洋地域の拠点であるグアム島の攻撃を想定した長距離爆撃飛行の演習を行ったと述べたことに対して、「H−6Kがグアムまで飛行することは不可能であるし、攻撃するとしても必要ない。ムダ話だ」と主張する記事を発表した。

香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストなどによると、米軍関係者が10月31日、メディアに対して中国軍のH−6K爆撃機が「グアム攻撃」を想定した飛行訓練を行い、ハワイ近くにも爆撃機を飛ばしたと述べた。

中国はソ連のTu−16を国産化してH−6爆撃機とした。Tu−16の初飛行は1952年で、H−6は68年。中国はさらに、H−6を大幅に改良してH6Kとした。初飛行は2007年だった。

新浪網は、H−6の最大離陸重量は19トンで、最大武器搭載量は9トン、最大燃料搭載量は35トン、最大航続距離は6000キロメートルで作戦行動半径は2500キロメートル前後と紹介。

中国南東部の海空軍基地からグアム島までの距離は3000キロメートル近くであり、H−6KはH−6と比べて航続距離が伸びたとされるので、グアム島に接近して攻撃することも可能なようにも思えると論じた上で、実際には不可能と解説した。

理由としてはまず、燃料搭載を最大に搭載して離陸する場合、武器搭載量を3トン程度に減らさねばならないので、攻撃は現実的でないと指摘。さらに、米軍が日本本土と沖縄、台湾、フィリピンなどを結ぶ第一列島線に先進的な早期警戒管制機、レーダー網、対空ミサイルシステム、さらに沖縄のF−22、F−35ステルス戦闘機などを大量に配備しており空母艦隊も存在するなど、極めて密度の高い防空システムを形成していると説明。H6Kが突破するのは困難と論じた。

記事は一方で、中国がグアム島を攻撃する場合、爆撃機をそれほど接近させる必要はないと主張。H−6Kは巡航ミサイルのCJ−10(長剣−10)を搭載できるように改良されており、CJ−10の射程は1500−2000キロメートルとされていることから、H−6Kはグアム島にそれほど接近することなく攻撃が可能と説明した。また、CJ−10の機体はレーダー電波をあまり反射せず、しかも超低空を飛行するので米軍側の対応は困難と論じた。

記事は、中国軍が太平洋上でH−6Kを長距離飛行させる訓練を行ったのは、爆撃機の性能を確認し、乗組員に経験を積ませるためであり、米空軍も同様の訓練を行ってきたと指摘。グアムに接近させて攻撃することを念頭に置いているとした米軍関係者の話を「ムダ話」と酷評した。

ただし記事は、米軍も巡航ミサイルへの対応力を強化しており、CJ−10の防空網突破能力は低下していると指摘。米軍がトマホークなど巡航ミサイルを持ちながらステルス爆撃機を開発したのは、相手側の巡航ミサイル阻止能力の向上に備えるためだとして、中国もステルス性能を持つ爆撃機の開発が必要と主張した。(翻訳・編集/如月隼人)