“時の人”森岡亮太に直撃!「日本代表復帰の経緯」と「現在の充実感」

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森岡亮太が“時の人”となっている。

本田圭佑、香川真司、岡崎慎司ら“常連組”が外れ、各方面で大きな話題を集めた日本代表に久方ぶりの復帰を果たしたからだ。

今季移籍したベルギーのベフェレンで飛ぶ鳥を落とす勢いを見せ、一種の待望論すら起き始めた実力者を、ヴァイッド・ハリルホジッチがようやく声を掛けたのである。

まさに「満を持して」という表現が相応しいかもしれない。

この欧州遠征で日本が対峙するのは、ブラジル、ベルギーの“トップオブザトップ”。

自身が海外移籍を意識するきっかけの一つにもなった、三年前のブラジル戦を経て、今、ベルギーの地で進化の真っ最中である「彼のために用意されたのではないか」と疑うほどのマッチメイクである。

単なるチャレンジマッチとなるか、はたまたリベンジマッチの様相を呈するのか。

大きな転換期となり得る大一番に挑む男に直撃してみた。

カレン(以下、――):お久しぶりです。今日はよろしくお願いします。

森岡亮太(以下、略):よろしくお願いします。

――まずは「日本代表復帰おめでとうございます!」と言わなければいけないところですが、どのように今回の代表招集を知ったのでしょうか?

僕が知ったのは代表メンバー発表があった前日ですね。

日本代表スタッフの方から話を頂きました。「チームには既に伝えているけど…」みたいな感じで。

――言われた時はどんな気持ちでした?

「このタイミングで来たか!?」って感じでしたね。

自分に縁がある、ベルギーとブラジルとの試合で、それもまさかのフランス(笑)実は家から一時間後ぐらいのところでの試合です(笑)

――今回の代表復帰に至るまで、代表スタッフともコンタクトがあったのですか?

話をしたのは前回の代表戦後ですかね。コーチのシリル(・モワンヌ)がベルギーにまで来てくれて。

そこで、「あ、自分のことも徐々に気にしてくれてるのか…」と。

ただ、実際に呼ばれるまでどうなるかわからなかったですけどね。

――でも、ベルギーで活躍する中で「そろそろ呼ばれてもいいんじゃないか?」みたいな感覚になったりはしませんでしたか?

どうですかね…。

ただ、「メディアの扱いが変わってきたなぁ」という感覚はありました。

元々、ベルギーでやるほうが日本代表も近づくだろうなぁと思っていましたが、「ここまでポーランドとベルギーで変わるかぁ」って感じで(笑)

――ポーランド時代から追っていた人間としては「何をいまさら…」という感もありましたが、三ヶ月前にお話していたことが現実になりましたね(笑)

はい、完全に予想が当たりましたね(笑)

――ここまでベルギーリーグでプレーしてみて、移籍前に予想していたことと違ったことはありましたか?

クラブ間の差が思っているよりもなかったですね。

今、首位のブルージュ(クラブ・ブルッヘ)が抜けている感じはありますが、それ以外はどこも差はあまりないなと。

アンルデルレヒトは現在3位ですが、勝ててない時期もありましたし、ゲンクも10位だったり、(久保)裕也のいるゲントも12位だったり…。

――チャンピオンズリーグなどにも出場していたスタンダールも上位ではないですしね。

たしかに、スタンダールもそうですね。

なので、ベフェレンのような小さなクラブでも、しっかりとオーガナイズできれば、彼らのように「強い」と思われているチームにも十分勝つことができます。

なので、そういう意味でも、そこまでクラブ間の差はないのかなと。

――ただ、それは「ベフェレンが上手くいっているから」という証拠では?

はい、ここまでめちゃめちゃ良い感じですからね。

「もう少し結果がついてきて欲しかったなぁ」というのはありますけど、チームとして非常に良い状態だと思います。

――シーズン開幕後、得点源と目されていたジーニョ・ガーノが移籍しましたが、代わりに急遽加入したイサーク・テリンが活躍して、現在リーグで得点王。また他にも移籍してきた選手たち活躍も目立ちます。

やはり、チームの雰囲気が良いからでしょう。

オーガナイズが非常に取れているので、シーズン開始後に加入した選手もフィットしていますし、補強も上手くいった感じがあります。

――シーズン開幕前に苦戦も予想されていた中でチームの総得点はリーグ2位ですし、「ハマった」時の得点力もすごいですよね。また、楽しそうにプレーしている姿も印象的です。

ですね。取れる時は本当に取れます。

「チームが出来てること」、「目指しているサッカー」、「味方のレベル」だったり、全体的に見ても楽しくやれていると思いますよ。

――選手のレベルということで言えば、例えば、森岡選手の後ろにいるダブルボランチのレベルの高さは目立ちます。

いや、あの二人は本当にすごいですよ。

一人(ヴィクトリアン・アングバン)はチェルシーからのローンだけあって力がありますし、もう一人(イブラヒマ・セック)はリーグで一番良いボランチだと思います。

――彼らのような選手が後ろにいることで、昨季まで所属したシュロンスク時代と比べて、プレーが変わった点はありましたか?

いや、そういうのはないですかね。基本的に僕がすることは変わらないので。

ただ、後ろから縦パスが入りやすくなった分、自分が下がってボールを受ける回数は減ったと思います。

――サイドには仕掛けられる選手がいますし、前節はヘディングでのゴールもありました。あのゴールを見てもそうですが、クロスからの得点機会はありそうですね。

はい。けっこうボールウォッチャーになる時が多いんですよね。なので、マークは外しやすい感があります。

――しかし、正直なところ、ここまでゴールを量産(14節終了時点で7得点)できると思っていましたか?

いや、全く思ってませんでした(笑)

正直、ここまでチームが良くなると言うか、チーム作りが上手くいくと予想していなかったので。

チームとして、スタートからコンセプトをブレずにやり続けられている点は大きいです。

――自身の役回りとしては、4-2-3-1のトップ下ですが、「ある程度自由を与えてもらっている」という感じでしょうか?

そうですね。そこまで縛りはなく、自由は与えてもらっていると思います。

――「日本代表に入った時にどこまで自由が与えられるのか」というのも気になりますが、そこはやってみないと…ですね?

はい。やはり、今の代表でやるのは初めてなので。やってみないとわからないところが多いですからね。

ただ、今回参加するメンバーは、会ったことがない選手でも、こちらが一方的に知っている選手ばかりですから。「ガッツリ転校生」みたいにはならないと思います(笑)

――そして、対戦相手はブラジルとベルギーです。イメージは持っていますか?

いや、特にはないですね。強いなぁ〜という程度です。

ただ、三年前のブラジル戦よりはやれると思います。

――たしかに、三年前に対戦したブラジルもあれから変わっていますからね。「またブラジルとやりたい」という気持ちは強くなっていますか?

いや、そこは、ブラジルだけではなく当然ベルギー戦にも出たいです(笑)

――最後にこれは個人的な願いになりますが、欧州移籍後はプレイスキックを任されることも多いですし、今の日本代表もキッカーが固定されているわけではないので、チャンスがあれば是非狙って欲しいです!

そこは任されたら頑張ります(笑)

こればかりは勝手に蹴ることはできないですし、チームが決めることですからね。

あくまでも「チャンスがあれば」で。

Qolyとしては、前回大きな反響を頂いて以来、約三ヶ月ぶりのインタビューとなったが、日本代表発表後に語られた彼の声はいかがだっただろうか?

筆者は、ヴィッセル神戸、ポーランドのシュロンスク時代からその実力を信じてきた人間ではあるが、今の彼には、より多くの人間を信じさせられる確かな力が備わっている。

チャンスメイカーとしてのセンスはもちろんのこと、自らの仕掛けで決定機を作り出す打開力と正確なシュート、チャンス時にゴール前に顔を出す得点感覚、プレイスキッカーとしての能力など、「攻撃的MFとしての総合力」は日本人最高峰。

現日本代表に不足している部分を埋めるだけの可能性を持った選手だ。

いざ試合となれば、ハリルホジッチが求める「守備への貢献度」や「球際の厳しさ」が一つの査定項目になってしまうかもしれない。

だが、その中でも欧州で研鑽してきた武器を十二分に振りかざして欲しいものだ。

W杯本大会まで残り約7ヶ月。「救世主」の登場は遅いぐらいである。