案内ロボット「シリウスボット」を店内に試験導入

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 パルコは4日、松坂屋上野店(東京都台東区)南館跡地の複合商業施設に、“おとなのたまり場”と銘打つ新業態「パルコヤ」をオープンさせた。若年層向けにファッションを訴求してきた従来のパルコとは異なり、30―50代をターゲットに、食分野を強化した。新たな顧客獲得に向け、ショッピングセンター(SC)は情報通信技術(ICT)の活用や中高年層の取り込みに力を入れている。

 「今は食がファッション。地元の老舗企業に新しいことをしてもらった」。パルコの牧山浩三社長はパルコヤに入るテナントについて、こう説明する。1892年創業の「上野 藪そば」はそば粉などを使った菓子「ガレット」の店舗を出す。買い物だけではなく、ゆったりと時間を過ごせる場を提供している。

 人手に頼らない“もてなし”にも挑戦する。パルコは「ICT活用ナンバーワンの商業施設」を目標に掲げている。パルコヤでは、テナント区画にカメラを設けてその映像を解析し、来店者数とそれぞれの年齢、性別のデータをテナントに提供する。品ぞろえや販促策の見直しなどを、支援する狙いだ。

 レストランフロアには、08ワークス(東京都品川区)、日本ユニシスと共同開発した案内ロボット「シリウスボット」を、12日まで試験導入する。店舗やトイレの場所などを尋ねると、目的地まで案内する。

 シリウスボットは棚卸しの機能も実装している。店内を巡回して商品の電子タグを読み取り、商品在庫数を集計することができる。将来的には、売り場スタッフの“作業”負荷軽減につながると見込む。今後も人手不足の深刻化が見込まれる中、効率化は喫緊の課題だ。「テナントには『パルコに出店すると、接客に集中できる』と思ってほしい」と牧山社長は語る。

 日本ショッピングセンター協会がまとめた16年のSCの既存店売上高は前年比1・1%減で、3年ぶりにマイナスとなった。パルコは千葉店(千葉市中央区)を16年11月、大津店(大津市)を17年8月に閉めた。

 小売り向けの分析システムを手がけるリゾーム(岡山市北区)の中山博光社長は「フィットネスや仏具など、50代以上に着目したテナントがSCに増えている」と話す。厳しい環境下、過去にとらわれない発想が求められている。
(文=江上佑美子)