濃いスモッグに覆われた米カリフォルニア州ロサンゼルスの街並み(2015年5月31日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】米政府は3日、気候変動は人間の活動によって引き起こされている可能性が「極めて高く」、炭素排出量を大幅に削減しなければさらに悪化するとの科学報告書を公表した。

 連邦法に従って作成されたこの報告書の結論は、地球温暖化は中国のでっち上げだと言い張るドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の立場とはまったく相容れないものだが、ホワイトハウス(White House)は報告書を承認した。

 この気候科学特別報告書(Climate Science Special Report)は「人間の活動、特に温室効果ガスの排出が、20世紀半ばから観測されている温暖化の主要因である可能性が極めて高い」と指摘し「これに代わる説得力のある説明はない」と述べている。

 報告書は米航空宇宙局(NASA)やエネルギー省などの米政府機関の支援を受けて、米海洋大気局(NOAA)が編さん。政府機関、大学、民間の50人以上の研究者が共著者になっている。

 炭素排出量を大幅に削減しなければ、今世紀末までに世界の年平均気温は産業革命前より5度以上高くなる恐れがある報告書は指摘している。

 海水面は「これからの15年間で数インチ」、「今世紀末までに1〜4フィート」(30〜120センチメートル程度)上昇するとみられ、世界の海水面が「2100年までに8フィート」(240センチメートル程度)上昇する可能性も排除できないという。

 報告書の結論は気候科学者にとって意外なものではなく、一般の米国人も既に以前より激しい豪雨、沿岸部での洪水、干ばつ、これまでになく頻発する熱波や森林火災、雪解けの早まりなどを通じて気候変動の影響を感じている。

 トランプ政権は地球温暖化で化石燃料が果たしている役割を繰り返し否定または軽視してきた。しかしNOAAは、同報告書の公開をホワイトハウスが認めたと発表した。NOAAによると報告書は政策を提言するものではないが、気候関連のリスク評価と政策決定のための情報提供の基礎になるとしている。
【翻訳編集】AFPBB News