日本の自動車メーカー・スバルは10月30日、無資格者が完成検査を行っていた車両25万5000台をリコール(回収・無償修理)することを明らかにした。

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日本の自動車メーカー・スバルは10月30日、無資格者が完成検査を行っていた車両25万5000台をリコール(回収・無償修理)することを明らかにした。こうして日産に続き、スバルは無資格検査スキャンダルを起こした2番目の日本の自動車メーカーになった。

スバルがこのほど行った社内調査によると、群馬県にある2つの工場では30数年前から、研修中で完成車検査員の資格をもたない従業員が出荷前検査の一部を担当していたことがわかった。無資格従業員は有資格従業員のはんこを借用し、記録や検査結果の書類に押していたという。

スバルは「12車種の約25万5000台が不適切な完成検査を受けた可能性がある。これにはスバルがOEM(相手先ブランドによる生産)で供給するトヨタ自動車の『86』も含まれる。今はまだ不適切な検査を受けた車両がどれくらいかはっきり把握することは難しい」としている。

今年9月、国土交通省の検査により、日産で無資格従業員が完成検査を行っていたことが発覚。検査の内容にはブレーキやライトの検査も含まれ、書類には有資格従業員の印章が押してあった。日産は日本の全6工場でこのような状況がみられたことを認め、38車種・計116万台のリコールを届け出た。OEMで供給するいすゞ自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車の車両も含まれ、リコールにかかる費用は250億円に達すると予想される。

道路運送車両法によると、完成検査はメーカーが国に代わって行う、完成車の安全性を最終的に確認するプロセスだ。国から指定を受けた車の原型である「型式」と照らし合わせて、ブレーキやハンドルの性能などを調べる。完成車は本来は国の専門部門が安全性を調べる必要があるが、実際にはメーカーの検査担当者が代行して国の手間を省き、自動車の大量生産を可能にしている。検査担当者の認定基準は各メーカーに委ねられており、メーカーごとに資格の取得に必要な研修の期間、内容、条件は異なる。こうした制度のあいまいさがルール違反行為の道を開いたともいえる。

自動車産業の関係者は、「日本の自動車メーカーは製造の各段階での品質検査を重視しており、『無資格検査』の安全性に対する潜在的危険はそれほど深刻ではないが、日本企業の品質や信用に対する慢心を明らかにしたことは確かだ」と話す。

自動車製造業は日本の基幹産業だが、この「金看板」が近年はしばしばほこりにまみれている。日本トップのエアバッグメーカーのタカタが不合格の欠陥製品を大量に製造し、業界では過去最大規模のリコールが行われ、世界の19メーカーの自動車1億台以上が対象になった。2016年には三菱とスズキが燃費データ不正事件を起こし、三菱の自動車62万台とスズキの軽自動車210万台以上が対象になった。少し前には、日本3位の鉄鋼メーカー・神戸製鋼がアルミ・銅製品の一部で強度などの性能データを改ざんし、不合格製品を自動車、航空機、軍事産業、高速鉄道など多くの分野のメーカーに供給していた問題があり、トヨタ、三菱、日産を含む日本の自動車メーカーの多くも影響を被った。

こうした一連の信用危機が日本の自動車産業にもたらした直接的・間接的損失は計り知れない。現在開催中の東京モーターショーの主催者である日本自動車工業会は、業界全体のイメージを損なう恐れがあるとして、同会会長を務める日産の西川広人社長の活動をしばらく停止することを決定した。東京モーターショーは近年、市場縮小と影響力低下の苦境に直面しており、一連のスキャンダルはショーの雰囲気をさらに重苦しいものにしている。(編集KS)