両足片腕がなければ泳げるはずがない、と誰もが思うだろう。しかし、そんな想像を裏切って、イギリス・ニューカッスルの青年が、地元スイミングクラブの監視救護員(ライフガード)として働いている。

髄膜炎で両足片腕を失う

Will Hardyさん(写真)は2才の時に髄膜炎にかかり、両足と片腕を失った。

だが、それにもかかわらず水泳が好きで、地元ニューカッスルのアマチュアスイミングクラブに所属。10才の時には2つのスイミングチーム、Gosforth DolphinsとB Squadの選手として競技会に出場していたというのだから驚きだ。

髄膜炎は乳幼児や小児に比較的多い病気で、敗血症を起こすことがあり、そうなると脳や神経に重大なダメージを与えてしまう。

念願の人を救う仕事

Hardyさんは、自分が泳ぐことだけでなく、その能力を活かして人のために何かしてあげたいという願いがあったという。

それを叶えるため、ニューカッスル市内にあるレジャーセンター「Jesmond Community Leisure」のプール監視救護員に応募。両足片腕がないという明らかなハンディにもかかわらず、見事試験に合格し、今年6月から正式なライフガートとして働き始めた。

「僕は自分なりのベストのやり方で、普通の人と同じように4本の手足でストロークする。特別な泳ぎ方をするわけじゃない。皆がやっているのと同じだよ」

19才になるHardyさんは、海外メディアの取材を受けてこう語っている。

(↑ Hardyさんと一緒に働くプール救護員スタッフ)

難しかった救護技術の習得

救護員として働き始める前には、救護技術のトレーニングがあったが、「それが難しかった」と彼は言う。

「ある部分に関してはとても難しかったよ。でもそれは、僕以外の誰でも同じじゃないかな。技術的な部分は理解するのが大変だから」

「もちろん、普通の人には簡単でも、僕には難しいこともあった。例えば、足の着かない深い場所での救助になると、僕には少しハンディがある。でもそれはほんの少しで、努力すればなんとかなる」

Hardyさんは現在ノーサンブリア大学の学生でもあり、ジムでトレーニングし、自分の泳ぎの練習もし、パラリンピックへの出場を目指している。