「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『氷菓』『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

写真拡大

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、編集スタッフ2人がそれぞれのイチオシ作品をプッシュします。

参考:岡山天音が語る親友・山崎賢人との映画づくり 「『氷菓』での関係性は実際とは逆」

■『氷菓』

 高校生時代、古典の助動詞をゴロゴ手帖を使って一生懸命覚えました。リアルサウンド映画部のピュアガール担当・大和田がオススメするのは、『氷菓』。

 映画のタイトルの“氷菓”は、劇中で解き明かしていく事柄の中でも、もっとも深い謎に包まれている文集「氷菓」のこと。学園青春ミステリーの舞台となる古典部で33年もの間、封印されていたこの文集の中身は、10年前の関谷潤の失踪、そして現在の古典部4人にも直接関わってくるメッセージが隠されている。

 古典部のメンバー4人を務める面々は、まさに朝ドラ出身の若手エース俳優たち。『まれ』(2015)の山崎賢人、『わろてんか』(2017)の広瀬アリス、『ひよっこ』(2017)の岡山天音と小島藤子。4人は実際の年齢も近く、岡山はインタビューの際に山崎とは俳優として同士である前に“友人”という仲であることを明かしている。そのため、劇中には2人が演じる奉太郎と里志の友情関係をリアルに感じさせる、ちょっとした所作が垣間見える。

 今年は、東方仗助、斉木楠雄と見た目とキャラ設定の濃い高校生役を演じてきた山崎。本作ではクラス内で騒いでいる面々を、一線引いて見ているような役柄で、やっとクールな感じに落ち着いたかと一瞬感じたが、前述した2名のように、今度は“秘めたる未知数のIQ”という、やはり特殊な力を持つ設定。そして、山崎が出演してきたどの作品でも、彼の持ち味として役に反映され、ところどころで現れていた天然っぽさは、広瀬演じる千反田えるを前にした時に感じる事ができる。本作を鑑賞し、「氷菓」の謎が解けたとき、特に学生にとっては自身に問いかけるものがあるかもしれない。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

 2017年劇場鑑賞本数521本(2017年11月3日現在)、週末は基本的に映画館で暮らしている、リアルサウンド映画部のロン毛担当・宮川がオススメするのは、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』。

 『死霊館』ユニバースにおける重要作『アナベル 死霊人形の誕生』や、人種差別をテーマにした社会派スリラー『ゲット・アウト』が公開され、今後は『ソウ』シリーズ最新作『ジグソウ:ソウ・レガシー』の公開も控えているなど、ハロウィンの時期にあわせて立て続けに公開されるホラー/スリラー映画。

 どれも素晴らしい作品ばかりだが、その中でも個人的にもっとも推したいのが、スティーヴン・キングの代表作のひとつ『IT/イット』を再映画化した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』だ。静かな田舎町で相次ぐ子供たちの失踪事件。その背景には、何かに恐怖を感じるたびに現れる“それ”の存在があった。弟ジョージーが犠牲になった主人公ビルと仲間たちは、“それ”に立ち向かう決意をするが……。

 スティーヴン・キングの原作小説から、前半部分に当たる子供たちの少年少女時代だけを切り取り、1950年代から1980年代に舞台設定を変えたことによって、ホラー映画でありながらも、青春映画の要素が色濃く反映されているのが本作の特徴だろう。一目見ただけでは本人とはまったくわからないほどのメイクで“それ”ことペニーワイズを演じている、スウェーデンのイケメン俳優ビル・スカルスガルドの怪演が素晴らしい。排水溝からニヤリと顔を覗かせたり、水中から勢いよく走り出したり、プロジェクターに映る写真からスライドショーで徐々に顔を表したりと、ペニーワイズの登場シーンがとにかく面白い。怖いを通り越して笑えてさえくるほどだ。

 メガホンを取ったアンディ・ムスキエティ監督はインタビューでハッキリと違うと断言しているが、10月27日よりシーズン2の配信がスタートしたNetflixのテレビシリーズ『ストレンジャー・シングス』と通じる部分も。2つの作品を見比べてみるのも面白いかもしれない。(リアルサウンド編集部)