両チームの予想スタメン。C大阪は、清武が10月15日の鳥栖戦でゴールを決めるなど調子を上げている。持ち前の攻撃力が爆発するか?

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 3シーズンぶりに臨んだルヴァンカップは、今季のC大阪の総合力が、着実に上がっていった舞台だ。今季の公式戦3試合目となった、ルヴァンカップ開幕戦。リーグ戦で主力を担う選手ではなく、サブメンバーを中心に構成したチームで横浜を2-0と下し、ユン・ジョンファン監督にC大阪指揮官としての初白星をもたらした。

 
 それからもルヴァンカップではターンオーバーによってリーグ戦とは異なるメンバーが組まれた。そのなかで、「俺たちのルヴァンカップ」という合言葉のもと、『ルヴァン組』と言われる選手たちが、このリーグカップ戦では奮起を見せた。茂庭照幸、関口訓充、丹野研太、田中裕介、秋山大地らを中心に、我慢強く全体で守備をし、セットプレーなどから少ないチャンスをモノにするスタイルを忠実に実行。僅差の勝負を制してきた。
 
 U-21枠を有効活用して、生え抜きの若手や育成年代の選手もピッチに立ち、育てながら勝つクラブアイデンティティを、このルヴァンカップの戦いで示すこともできた。ノックアウトステージからは、第1戦の『ルヴァン組』が粘り強く耐え、第2戦の『リーグ組』といわれる主軸が結果を出し、ベスト8の壁を越え、準決勝では宿敵・G大阪に劇的勝利。ホーム&アウェーの決戦を、チーム総動員で乗りきった。そのいい流れが、10月のリーグ戦や天皇杯に活かされ、このルヴァンカップ決勝に至るまで、公式戦は5連勝。最高の形で大一番に乗り込む。
 
「非常にいい雰囲気でいける」というのは、ルヴァンカップを通じて成長を遂げ、G大阪戦では歴史に残る決勝ゴールを決めた、進境著しい木本恭生。桜色の戦士たちが一丸となって掴み取った晴れ舞台は、「次は俺らにとっては本当に特別な一戦」と主将の柿谷曜一朗。1995年からJリーグに参入し、これまで、リーグ戦で、カップ戦で、幾度も土壇場で涙を呑んできたC大阪だが、その過去を乗り越える時だ。
 
 そして、相手は、2000年のJ1第1ステージで初戴冠を阻止された因縁のある川崎である。今季も、J1リーグ28節ではアウェーで大敗し、苦渋を舐めさせられた相手を乗り越えてこそ、タイトル獲得の価値があるというもの。初の栄光に向けて、C大阪はこの大会で示してきた『一体感』を前面に出して、最後まで走り抜く。そして、13試合目となる「俺たちのルヴァンカップ」も、負けなしで終える。頂点に立つために。
 
取材・文:前田敏勝(フリーライター)