両チームの予想スタメン。川崎は奈良の出場停止が痛いところだが、大島、阿部、チョン・ソンリョンが復帰している。

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 月並みな言葉だが、川崎は悲願の初タイトルに向け、粛々と準備を進めたというような印象がある。水田の上での試合にすら見えた柏とのリーグ戦を終え、1日のオフを挟んで始まった練習は、まったくもっていつもと同じ流れだった。そこに「決勝だから」という気負いは感じられない。地に足をつけた準備ができているようだ。

 
 そうした“地に足をつける”準備の一環なのだろうが、1日と2日の練習ではピッチレベルでの取材に制限がかかった。写真やムービーの撮影は練習の途中までで終わることを求められ、ピッチから撤収することとなった。「集中した練習にしたかったから」ということだが、珍しい出来事ではあった。特別な試合を前にした特別な措置で、緊張感を高める効果を出したかったのかもしれない。
 
 この試合に向け、チームに朗報があるとすれば負傷していた選手が次々と復帰してきたという点だ。まずは9月23日の神戸戦で負傷していた阿部浩之と大島僚太が練習に合流。阿部は全治1か月と診断されながら復帰時期が先送りされようやくの合流となった一方で、大島は全治2か月の診断が前倒しになり、ふたりのキープレーヤーが揃って戦列に戻ってきた。また広島戦の前半に負傷交代していたチョン・ソンリョンも練習に復帰。決勝戦への出場に向け、準備を進めている。
 
 ほぼ全選手が戻ってきており、鬼木達監督にしてみれば選択肢が増えたことで、誰をメンバー入りさせるのか悩ましいところだろう。そんななか、大島はAチームで調整を行なっている。この試合に合わせたというよりは、治るタイミングが合った、というのが真相のようだが、それにしても先発のピッチを踏むことになれば川崎にとっては朗報と言える。
 
 中盤を統べる選手としてどれだけボールに絡めるのか。その頻度で試合の流れは大きく変わる。もちろんC大阪にしてみれば彼を止めることが勝利への近道とばかりに人数を掛けてケアしてくるだろう。いかにしてその圧力を外せるのか。周囲のフォローも含めこの試合の行方を左右するポイントとなりそうだ。大島が絡む中盤の両チームの攻防に注目したい。
 
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)