中村は時折、笑顔を見せるなど、前日練習ではリラックスした様子だった。 写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 キャリア初の戴冠に向けて抜かりはない。11月4日に行なわれるルヴァンカップ決勝の前日、埼玉スタジアム2002で練習を行なった川崎フロンターレの中村憲剛が意気込みを語った。
 
 2003年に入団して以来、幾度となくタイトルに迫りながらも目前で獲り逃してきた中村。ルヴァンカップ(ヤマザキナビスコカップ時代を含む)では、2007年と2009年に決勝まで進みながら涙を呑んできた。
 
 先月31日に37歳となった川崎一筋のバンディエラは、「心も身体も良い準備ができたと思う。チームの雰囲気は良い」と、準備万端な様子をうかがわせた。
 
「一発勝負ですし、立ち上がりが重要になると思う。ただ、力が入り過ぎたり、テンションが高過ぎてもダメなので、そこらへんは各々が判断をして、チームが勝つために方向性を合わせて戦えれば問題はない」
 
 相対するセレッソ大阪は、今大会は12戦無敗(7勝5分け)。柿谷曜一朗や清武弘嗣など代表クラスのアタッカー陣を擁する手強いチームだが、中村は、「攻守にまとまったチームですけど、相手にとって不足はないと思ってます」と、冷静に話した。
 
 さらに「ここで勝つために一年間やってきたので、良い試合というよりも、勝つ試合をやりたいです」とも語った中村。その眼差しの先に見据えるのは、キャリア15年で、いまだに手にできていないタイトルだ。「そういう風に言われるのは分かってます」と周囲の喧騒を受け止めるベテランMFは、次のように意気込んだ。
 
「自分はその時、その時で必死になって勝利を掴みにいっている。でも、やっぱり今回はそれを払拭するチャンスだと思ってます。頼もしいチームメイトとスタッフもいますし、とにかくみんなを信じて、自分を信じて、やりきっていくだけ」
 
 さらに、中村は一発勝負における精神面の重要性も説く。
 
「自分たちがボールを握って、相手にボールを持たせないということを目指して、それで勝ちが付けば一番良い。でも、相手もいることなので、最後は気持ちの面とか精神的な戦いになるとも思う。そういうすべてのことで上回らないと勝てない」
 
 意欲十分の背番号14は、「サッカーをやっている以上は誰もが優勝を目指していると思う」とシンプルに戴冠への想いを語り、「毎回のようにチャンスが来るわけではない。フロンターレとしても久しぶりにルヴァンのタイトルを獲る機会」と、自身のすべてを捧げてきたクラブへタイトルをもたらすことを誓っている。
 
 果たして、中村は3度目の正直で、念願のカップを掲げることはできるのか。明日は川崎のバンディエラのプレーから目が離せない。
 
取材・文:羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWEB編集部)