ヤンキース・田中将大とドジャース・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

写真拡大

ダルビッシュはFAランク1位のまま、6年総額180億円超で契約と米メディア予想

 ワールドシリーズが1日(日本時間2日)に終わり、MLBのストーブリーグが幕を開けた。エンゼルスは早くも、タイガースとの残り4年8850万ドル(約101億円)の契約を破棄したジャスティン・アップトン外野手と5年契約で合意。総額は1億600万ドル(約121億円)になると報じられている。また、日本人選手では、マリナーズが岩隈久志投手の契約延長オプションを行使しないことを発表。岩隈はフリーエージェント(FA)となる。

 米国最大の移籍情報サイト「MLBトレードルーマーズ」では、今オフのFA選手トップ50のランキングを発表。移籍先のチーム、契約年数&総額も予想している。日本人選手では、今季開幕前からオフのFA市場でNO1の評価を受けていたドジャースダルビッシュ有投手が、変わらず1位をキープ。また、契約を破棄してFAになれる「オプトアウト」の権利を行使するか注目が集まっているヤンキースの田中将大投手も5位に入った。

 その他、巨人のマイルス・マイコラス投手もランクインし、ポスティングシステム(入札制度)を利用してのメジャー挑戦が有力視されている日本ハムの大谷翔平投手も“番外編”で登場している。

 FA市場で堂々1位の評価を受けたのはダルビッシュ。シーズン途中に“世界一請負人”としてレンジャーズからドジャースにトレード移籍し、プレーオフでは地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズと好投も、ワールドシリーズ(WS)では第3戦、第7戦と2試合連続で2回途中KOとまさかの結果に終わった。ドジャースも3勝3敗で迎えた第7戦で敗れ、29年ぶりの世界一を逃す形となったが、「市場トップ」の評価は変わらず。新たな契約に注目が集まる。

「MLBトレードルーマーズ」では、移籍先として昨季世界一のカブスを予想。6年総額1億6000ドル(約182億3000万円)という金額を割り出している。年平均2667万ドル(約30億円)という高評価だ。

 寸評では「見苦しい登板が記憶に新しい中、彼が今冬最大の契約を結ぶと予想すれば認知的不協和が生まれるかもしれない。しかしながら、ダルビッシュは依然として1週間前のダルビッシュのままである。すなわち、とても良い先発投手でFAの中でベストということだ」と指摘。ワールドシリーズでのKO劇に触れつつも、好投手という評価に変わりはないとの見方を示している。

田中が契約破棄ならフィリーズ移籍? 巨人マイコラスはパドレスと予想

 さらに、「7年契約はこれまでもう少し若く肘の手術を経ていない投手に与えられてきたため、我々はダルビッシュについて6年契約と予想した。FA投手が年俸2500万ドル(約28億5000万円)を上回るのはこれまで4度あったので、我々はダルビッシュが5度目になると予想している。もしドジャースが彼を引き留めなければ、カブス、フィリーズ、ナショナルズ、カージナルス、アストロズ、ツインズが有力候補となるだろう」と説明。メジャー史に残る高額契約を手にすると予想している。

 一方、レギュラーシーズンは不安定な投球が続きながら、ポストシーズンでの快投で評価を取り戻した田中は5位。2014年に7年総額1億5500万ドル(約177億円)の大型契約で加入した右腕が、残る3年総額6700万ドル(約76億3300万円)の契約を破棄してFAとなる決断を下した場合、フィリーズと5年総額1億ドル(約114億円)で契約すると予想している。年平均は2000万ドル(約22億8000万ドル)とやや下がるものの、さらに2年長い契約を結べるとの見方だ。

 記事では「田中にとってオプトアウトは正しい選択に見える。ヤンキースは彼との契約に1年か2年を加え平均年間評価額を下げることで、ぜいたく税の対象を下げることができる。もし田中がヤンキースを去るならば、カブス、ナショナルズ、アストロズ、カージナルス、ドジャース、エンゼルス、フィリーズ、ツインズ、マリナーズ、レンジャーズ、ブルワーズが候補となる。もし彼がオプトアウトすれば、ヤンキースはドラフト指名の補償を得るため確実にクオリファイング・オファーを出すだろう」と指摘。FAを選択すれば“人気銘柄”となることは間違いなさそうだ。

 また、巨人のマイコラスは50位でランクイン。メジャー復帰を選択した場合、パドレスと2年総額1000万ドル(約11億4000万円)の契約を結ぶと予想された。寸評では「彼がどのような契約を集めるのか正確にはかることは難しいが、右腕の残した恐ろしい(日本での)成績はローテーション後半を埋める奇跡を望む球団からメジャーオファーを引き出すだろう」と高く評価している。

 また、大谷も番外編で登場。新ポスティングシステム(入札制度)の合意が遅れていることなどに触れつつ「現段階で彼の行き先を予想するのは途方もなく困難だ。我々は30球団が大谷との契約に向けて努力することになると確信している」と“大争奪戦”は不可避との見方を示している。

 いずれにしても、NPBで結果を残して去就が注目されるマイコラスも含め、今オフのMLBのストーブリーグには日本からも大きな注目が集まることになりそうだ。