子が苦手な野菜をすりおろすのはNG! 偏食対策はどうすれば?

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子どもの味覚の感じ方は年代によって変化するという。とはいえ、栄養バランスを考えるとできれば食べてもらいたいのが親心…。嫌いなものはどうしたら食べてくれるの? 管理栄養士の坂井エリサ先生に年代ごとの偏食の傾向と対策を聞いた。

●赤ちゃんが苦手な食材はどう調理する?

まず、赤ちゃんが苦手とする食材には何があるの?

「本能的に危険なものとして感知される酸味や苦味のあるものです。具体的には、ほうれん草やピーマン、ヨーグルトなど。また、食感が硬いものや、パサパサするもの、皮が口に残って食べにくいものも嫌がる子さんが多いですね」(坂井先生 以下同)

では、嫌いな食材は離乳食を作る時にどのようにして出すと食べてくれる?

「例えばトマトなどの酸味が嫌いであれば、加熱して酸味を飛ばして甘みを引き出したり、鰹節と合わせるなどして旨味で酸味をやわらげるといいでしょう」

ほかにも、調理の工夫次第で赤ちゃんが食べやすくなるという。

「トマトの皮が口に残って嫌がるのであれば、湯むきしましょう。また、茹でただけだとモソモソして食べにくいカボチャやサツマイモなどは、出汁(だし)や牛乳、ヨーグルトで伸ばすと口当たりがなめらかになります。パサパサしやすい魚は、ホイルで野菜と包んで蒸したり、片栗粉と水を足してレンジで温めるとふんわりします。筋があってかみ切りにくい肉は、繊維を断つように切って片栗粉と水を少し振って加熱調理すると食べやすくなります」

●幼児期&児童期の野菜の好き嫌い、その対策は

幼児期や児童期になると、好みやわがままも顕著に出てくる。特に、野菜を嫌う子は少なくない。

「野菜を苦手に感じるのは、味やにおいに慣れていないことが理由です。ホウレンソウや小松菜などの青菜、アクの強い緑黄色野菜は茹でてえぐ味を緩和するといいですよ。白菜やキャベツなどの淡色野菜やアクの少ない緑黄色野菜は、蒸してゆっくり加熱することで、熱に弱い酵素の働きが維持され、他の調理法と比べて甘みが増すので食べやすくなります」

野菜の切り方もひと工夫してみよう。例えば、辛味成分が含まれる玉ねぎは繊維を断ち切るように切ると、辛み成分が抑えられる。キャベツは繊維に沿って切ると、柔らかい食感になる。

「子どもの嫌いな野菜の代表格のピーマンは、苦みの元である種と白い部分をしっかり取り除き、縦方向に切ると青臭さや苦さを抑えられます。また、野菜の苦み成分は油に溶けるので、一回油通しするのもオススメですよ」

また、子どもの好きな食材と組み合わせたり、好みの食感に調理したりすることも効果的だ。

「野菜を子どもの大好きなソーセージやチーズと組み合わせたり、味付けをカレー味やケチャップ味、マヨネーズ味などにしたりすることで、子どもの慣れた味、好きな味に近づきます。そうすると、苦手な野菜に意識が集中しなくなって、ぐっと食べやすくなります」

ほかにも、もっちりやシャキシャキなど、子どもの好きな食感になるように調理法を工夫するのも手だ。

●嫌いなものを隠して出すのは良くなかった!?

ところで、嫌いな野菜を細かくしたり、すりおろしたりして、わからないように出すのはどうなのだろうか?

「実は、その方法はオススメしません。気づかないうちに食べさせられても、苦手なものの克服にはつながりにくく、むしろだまされたと思って余計に嫌いになってしまうことがあります。苦手なものでも見た目にわかるように出し、むしろそれを食べることができたらほめてあげる。食べることができた達成感は自信につながり、もっと食べてみようという気持ちにつながりますよ」

つまり、子の好き嫌いの改善に近道はないということ。

「そもそも、子どもの偏食をなおすことは難しいこと。食べたくないと感じる理由を取り除く調理の工夫や、嫌いな食材と相性の良い食材や調味料の組み合わせで、その食材に慣れさせていきましょう。子どもが『おいしい』『好き』と感じる料理を増やしていくことで、『嫌いなものも少しは食べてみようかな』『嫌いなものが入っているけれどこの料理は好きだから食べよう』と子どもの気持ちも変化します」

偏食が多いからといって特別扱いせずに、同じ料理が並ぶ食卓を囲むことも大切なのだとか。少しずつ苦手なものが減ればいい――。こうした気持ちで、子の味覚の成長とゆっくり付き合っていこう。

(取材・文:石水典子 編集:ノオト)

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