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KDDIの2018年3月期第2四半期(4-9月)の連結決算において、売上は2兆4161億円で通期目標に対する進捗率は48.8%、営業利益は5425億円で同57.1%だった。順調な進捗と評価する同社だが、田中社長の発言を聞くと、注目すべきは別のところにありそうだ。

○KDDIを取り巻く環境

スマートフォンの実質ゼロ円での販売禁止などを初めとした総務省の施策の影響や格安通信の台頭により、KDDIは厳しい経営環境下にいる。

それらの影響を受け、au契約者数の減少が続いてきた。今回公表されたau契約者数からもそのことがわかる。2017年9月時点のau契約者数は2482万人で前年比64万契約減と大きく数値を落としている。数値上は今までの流れを引きずったままだ。

しかし、田中孝司社長は足元では変化が生じていると話す。「MVNOへの流出数は緩やかになり、以前ほど減らなくなった」「MNPによる流出もグループ全体で止まった」などとし、現状について「ほぼアンダーコントロールになりつつある」と述べるまでになった。

この先もMVNOへの流出が続く見通しに変わりはないが、かつてのような不透明感が和らいだのは大きな変化といえる。

○何が状況を大きく変えたのか

では、一体何が状況を大きく変えたのだろうか。それについて田中社長は、au利用者向けの会員制プログラム「au STAR」と、7月に発表した新料金プラン「auピタットプラン」「auフラットプラン」の存在が大きいと指摘する。これらを簡単に説明すると、auスターはポイント還元などの特典を受けられるリテンション施策であり、新料金プランは割引の組み合わせ次第でMVNO並みの格安料金を実現するものとなる。

田中社長は「auスターと新料金プランがダブルで効いて、(MVNOより)MNOの方がいいというインサイトができつつあると想像している」とコメント。続けて「新料金プランをさらに浸透させ、解約減の効果を持つau STARもさらに強化して流出を止めたいと思っている」と話す。

KDDIはこの先、通信事業に加え、auでんき、au HOME、au WALLETなど生活関連サービスのライフデザイン事業に注力していくのが中期的な戦略となる。通信収入を維持したままライフデザインからの収益で企業としての成長を図っていこうとしている。現状を踏まえたうえで田中社長は「ライフデザインに向かっていく道筋ができたのかな」とも述べる。経営環境にようやく晴れ間が見えたのがKDDIの現状と言えそうだ。