今、じわじわと話題になっているのが2016年8月に銀座8丁目に誕生した『すし佐竹』である。インパクトのある料理はもちろん、握りに使用するシャリにも驚愕の秘密が!

今回はコースの一部と共に、銀座で話題騒然となっている握りの美味しさの訳に迫りたい。



温かいシャリでの鮨の提供に踏み切った店主・佐竹大氏
鮨の概念を覆すシャリに技あり!口に入れた瞬間の驚きがスゴイ!

名店ひしめく銀座8丁目に2016年8月に誕生した『すし佐竹』が、鮨に新たな角度からの発明をもたらした。

店主・佐竹大氏が握る鮨は、口に入れた瞬間「アツッ!」と声が出てしまうほど、ホカホカのシャリで握られるのだ。

この新感覚に魅了される鮨好きが続出中!今、銀座で最も注目すべき鮨とも言われるほどだ。



これが奇跡を呼んだ「まぐろのトロ」。コースの最初に提供され、ホカホカのシャリとまぐろが、口の中で一体感を増しながらスーッととろけていく食感が堪らない
始まりはある日の試作中。偶然の出会いが奇跡を呼んだ

彼も最初は通常と思われるシャリの温度で握っていた。しかし、ある日の試作中、仕入れたまぐろを急いで味見するために「熱いシャリしかないな…」と思いながら、仕方なくそのシャリでまぐろを握った。

それを一口食べてみたところ、予想外の衝撃が走ったのだという。「熱いシャリに、まぐろがこんなに合うなんて!」

自身がこだわる力強い味わいのシャリは、熱い温度で味わうことでよりその旨みが増大。尚且つ、シャリの熱がまぐろのもつ脂をほどよく溶かし、見事なまでの一体感を生んだのだ!



鮨において一番大切なのは、上にのるネタ、下のシャリのバランスがとれていること。そのため佐竹氏はネタ選びの際、このシャリに負けない、力強い味わいの魚を選ぶという
力強い味わいはこうして生まれる

その日から佐竹氏は、温かいシャリの研究を重ね、酢の調合も微調整、今のカタチに辿り付いたのだという。まさに奇跡の出会いである。

しかし仕事はあくまでも正統派の「江戸前」の王道はしっかりと走る。その基本は守りながらも、現代に合わせた鮨を提供したいと考える佐竹氏。そこで辿りついたのが温かく、力強い味わいのシャリなのだ。



コースは1名12,000円と20,000円の2種類。予算に合わせて品数や食材をアレンジすることも可能

米は、山形県産つや姫を使用。かために炊きあげ、酸が強い赤酢と、まろやかな味わいの赤酢の2種類を絶妙な調合で混ぜ合わせていき、作り出されるシャリは、異様なまでの存在感と力強さを感じさせてくれる。

このシャリこそ『すし佐竹』の肝である。一度食べたら絶対に忘れられなくなる、驚愕の美味しさなのだ!



(写真手前)「ふぐのカワハギ肝ソースかけ」(写真奥)「サワラの薫製」。一品料理のお供には「江戸開城 純米吟醸原酒 生」(グラス1,500円)などを合わせて

今回は12,000円のコースから『すし佐竹』の魅力を伝えていきたい。同コースの場合、一品料理が6品、握りが6品の計12品を基本とし、お客様の要望に合わせて握りの比重を重くすることもあるという。

コースの最初は一品料理からスタート。この日は「ふぐのカワハギ肝ソースかけ」と「サワラの薫製」をご用意いただいた。どちらも大将の細やかな技が光り、口に運ぶたびに唸りたくなる美味しさである。


熱いシャリの握りという初体験へ、いざ!



いわし。脂が熱いシャリでとろける一体感がたまらない!
この流れにいつまでも身を任せたい。そう感じさせるコース構成も魅力

一品料理で鮨前のひと時を楽しんだ後には、握りがスタート。このタイミングで、佐竹氏が常温に戻したネタと、ほかほかのシャリを準備する。

そして始まる握りタイムは、まずは最高温のシャリで「まぐろ」から。続いて「いわし」と脂の多いものから順番に提供され、その度に驚嘆と感動が襲ってくる。



タイ。シャリの旨味が、タイの旨味をぐっと引き出す。

この美味しさを生み出す最大の理由は、シャリとネタのバランスの良さにあるだろう。

力強く温かいシャリに合うように、厳選されたネタを使用するだけでなく、提供するタイミングから徐々に変化するシャリの温度まで、全てを計算し尽くされている。

それゆえ構成されるコースの流れは、味わった人にのみが知れる至福体験なのである。



小肌。強めな味わいの酢〆に、温度の程よく下がってきたシャリが合う。



穴子はあぶりたてでアツアツで。アツ!と声が出るほど。



「のどぐろ丼」は同店のシャリの強さを一番ダイレクトに感じることができる一品。ぜひ、シャリだけでも口に運び、その味わい深さを感じて欲しい
堅苦しさは一切排除。銀座とは思えない気軽さも魅力

その日はじめて隣り合わせた別々のグループが、コース中盤にさしかかった頃には、不思議と仲良く会話を楽しんでいるというのも『すし佐竹』の日常的な光景のひとつ。

「美味しかったは当たり前、楽しかったよと言ってもらえる店になりたい」という佐竹氏の強い想いから、大将自身も率先して店内を和やかな雰囲気へと導けるよう、お客様と会話をしていくそうだ。



「痛風丼」は20,000円コースのなかに含まれる贅沢な一品。「楽しかった」と思わせてくれる大将・佐竹氏のサービス精神が現れた品

その想いはコース終盤で登場する「のどぐろ丼」や「痛風丼」といった贅沢な丼ものにも現れている。

きちんと美味しい握りだけだはなく、お客様を愉しませ、思い出に残る絶品の小丼を用意してくれるのがニクイ。

名物「痛風丼」の自家製いくらは、築地で腹子を仕入れて、出汁醤油で漬け込み、上質なうにの甘さ、シャリの強い味わいとマッチする。



この日の握りは「トロ」、「ぶり」、「いわし」、「コハダ」、「タイ」、「イカ」、「穴子」の7貫をご用意いただいた

鮨屋が約600軒も出店するという銀座。その中で『すし佐竹』を選んで来て貰っているお客様に、少しでも「楽しかった、来て良かった」と思ってもらいたいと佐竹氏。

そんな想いが、握りだけでなく、店内の雰囲気、そして大将との距離の近い客席など、隅々に感じる事ができる。

今、訪れておきたい名店『すし佐竹』。ぜひ、この感動を体感して欲しい。



明治から大正時代に新橋界隈の芸者さんが好んだことからその名が付いた「新橋色」の暖簾が美しく映える店内



ビシッとしつらえられた風格を感じる入り口からは想像できないほど、店内は和やかな雰囲気が漂っている