筋肉が緩むと脳の働きが変化して全身がリラックスする。
ストレスがかかると筋肉は凝り固まる。筋肉を伸ばすストレッチングは、体から心に働きかけるストレス解消法。

首や肩の凝りはからだのストレス反応

長い時間、一つの仕事に気持ちを集中したり、同じ姿勢で作業を続けると、首や肩が凝ります。これは首や肩の筋肉に起きたストレス反応です。心身に不安や緊張などのストレスがかかると筋肉が緊張するという事実は、逆に考えると、筋肉の緊張を緩めれば心身のストレスも緩んでくるともいえます。

のんびりしていても脳はリラックスできない!?

心身医学の分野では、体がリラックスした状態になると脳の働きに変化が起こり、それは自律神経系、内分泌系などを経て全身のリラクセーション反応を引き出し、同時に心理的なリラクセーションももたらす、と考えられています。リラクセーションを得るには、ただのんびり時間を過ごしているだけではあまり効果が期待できず、特定の方法で意識的にリラクセーション状態をつくり出すことが必要とされています。そうすることで、ストレスに対する抵抗力が高まった状態になる、というわけです。

ストレス解消にはストレッチが有効

話が少しむずかしくなりましたが、簡単にいえば、心身のストレスを和らげるには初めに筋肉の緊張を緩めることが有効だということです。そしてその手軽で効果的な一つの方法は、ストレッチングです。
今回は一人で簡単にできるストレッチングを紹介します。いくつか注意事項がありますから、それを頭に入れながらストレス状態からゆるりと脱け出しましょう。

仕事の合い間に、就寝前に、「気持ちいい」と感じる程度に

ストレッチングは、特別な道具もいらず、いつでもどこでも、簡単に行うことができます。たとえば仕事や勉強の合間にいすに座ったまま、またはちょっと立ち上がって、ほんの数分行うだけでも筋肉の緊張がとれ、リフレッシュできます。夜寝る前に布団の中で行えば、1日の疲れが取れてぐっすり眠れるでしょう。
次のことに注意して、思い立ったらやってみましょう。

★ストレッチングを行うときの注意

(1)呼吸は止めず、ストレッチング中もゆっくり深呼吸を行う

(2)無理に筋肉を伸ばさず、「気持ちいい」というところで10〜30秒間止める

(3)いま伸ばしている筋肉を意識する

<いすや床に座ったままで、または立って行うストレッチ>

●首のストレッチ

・ゆっくり大きく回す
・両手を組んで後頭部に置き、両手の重さを利用して首をゆっくり前に倒す。
・背中の後ろで両手を組み、口を軽く開いてゆっくりあごを上げていく。
・背中の後ろで両手を組んだまま、首を左右にゆっくり倒していく。

●肩のストレッチ

・指先を肩につけ、ひじから回すように両肩を大きく後ろに回す。前回しも行う。
・左腕を胸の前に水平に上げ、ひじのところを右手で引き寄せて胸に近づける。腕を替えて右腕も(上体は回さず正面を向いたままで)。

●体側、腕のストレッチ

・両手の指を組み、手のひらを上に向けて頭の上に伸ばし、体をゆっくり右(左)に倒していく。左右とも行う。

●腕・ひじのストレッチ

・肩の高さで両手の指を組み、腕を前方にゆっくり伸ばす。次に、手を返して手の平を外側に向けゆっくり前方へ押す。

<立って行うストレッチ>

●腰、ヒップ、太もも裏側のストレッチ

・つま先を前に向けて立った姿勢から、腰を起点に、太ももの裏側に軽い伸びを感じるまでゆっくり前屈。ひざは軽く曲げ、腕と首は力を抜く。

●太もも前面、ひざのストレッチ

・壁や柱に左手をついて左足で立ち、右ひざを曲げ、右手で右足つま先を持ってゆっくりお尻のほうへ引っ張る。手足を替えて左右とも行う。

<床に座って行うストレッチ>

●背中、腰のストレッチ

・あぐらをかき、両ひじを体の前に出すようにして上体をゆっくり前に倒していく。

●脚全体のストレッチ

・正座をする。足首に無理を感じる場合は上体を少し前傾し、両手を脚の外側の床面について支える。

<床にあお向けになって行うストレッチ>

●全身のストレッチ

・あお向けになり、両手を頭の上に伸ばし、つま先と両手の先を真っすぐ伸ばしていく。

(編集・制作 (株)法研)
※この記事は2010年4月に配信された記事です