箱根駅伝出場など、実際にマラソンランナーとしての活躍した和田がドラマ「陸王」の魅力を語る

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「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(‘16年日本テレビ系)や「黒革の手帖」(‘17年テレビ朝日系)でのジェンダーレスな役などで注目を集めた和田正人。’17年は「おんな城主 直虎」(NHK総合ほか)で、大河ドラマ初出演を果たすなど、年々、活動の幅を広げている。

「陸上を知るからこそ、そういう意味で責任を感じる」と和田

現在、和田は日曜劇場「陸王」(TBS系)に、ダイワ食品陸上部員・平瀬孝夫役で出演中。実は、和田自身、大学時代には箱根駅伝に出場し、実業団の陸上部にも所属した経験を持つ。そんな彼が、「陸王」にかける思いを明かした。

――「ルーズヴェルト・ゲーム」(‘14年TBS系)以来の日曜劇場となりますね。今回も福澤克雄監督の現場ですが、どんな気持ちで撮影に臨みましたか?

「ルーズヴェルト・ゲーム」はすごく熱い現場だったなと、今でも印象に残っています。“福澤組”は2回目ということで、楽しみと同時にプレッシャーもありました。「ルーズヴェルト・ゲーム」の野球チームと比べて、今回の陸上部員は若いんですよ。当時は、僕よりも年齢が上の人も何人かいたけれど、今のチームはぶっちぎりで最年長(笑)。しかも、陸上を一番知っているから、そういう意味での責任は感じています。

――オファー時に、陸上部を引っ張っていくという役割の話も出たのですか?

特別お願いされた訳ではないけど、こういう作品にキャスティングしてくれたということは、必然的にそういうことでもある訳じゃないですか。僕が参加している以上、培ってきたものとか経験値は、現場にプラスに働くよう還元したいなと思っていました。

――現場で、陸上部員役の皆さんにアドバイスをすることもあると?

陸上競技場でのメインの芝居の裏で、例えばウォーミングアップをするならこんな感じだねとか、今度はクールダウンしているようにしようかとか、その時々の動き方を伝えています。例えば、長距離選手って、グラウンドの芝生の上でストレッチをしたりするんですけど、そういうときってだいたい裸足。これ、陸上選手のあるあるなんです(笑)。じゃあみんなで裸足になろうかとか。こういうことをやっていることで、より作品にリアリティーが増すと思うので、細かく話し合いながらやっています。監督も相談しに来てくれることもあります。

――若いキャストの皆さんとご一緒されているということで、現場も盛り上がっていそうですね。撮影の合間はどうされていますか?

(竹内)涼真とか音尾琢真さんとかと話していることもあるし、陸上部員役のみんなと一緒にいることもあります。このドラマのメインはこはぜ屋だけど、陸上部ももう一つの大きな軸だと思っていて。陸上部が魅力的に見えないと、どうしてもパワーバランスが悪くなると思うんです。だから、部員たちみんなが生き生きと演じて、素敵な汗をかいている状態でいられるよう、いろんなアドバイスもしつつ、バカなこともして、部員のみんなとは積極的にコミュニケーションをとるようにしています。

現場に陸上の原(晋)監督がいらっしゃることもあるんですが、原監督とはドラマに関係ないことばかり話してます。「今年の青学(青山学院大学)どうですか?」とか、「夏はどれぐらい走り込んでるんですか?」という本格的な陸上の話(笑)。やっぱり興味があるので。

――普段からランニングもやっていらっしゃるとうかがいました。

今朝も6時に起きて走ってきました。最近は、週に5回くらい走ってますよ。だいたい10kmくらいかな。今は必然的に役づくりも兼ねてます。やっぱりランナーの体になっていないといけないしね。

――ジェンダーレスな役が続きましたが、今回の「陸王」では陸上選手役と、ふり幅が広いですよね。それぞれの役を演じている最中の心境は異なりますか?

ジェンダーレスな役はパンチのある役なので、周りからの反響は大きいんですが、自分自身は生活の上で何かが大きく変わることはないんです。役柄ということよりも、その役としてドラマの中で求められている立ち位置とか、どういうふうな見え方をすればこのキャラクターがうまくはまるのかというバランスを探ったりはしています。

もちろん、役をつくるうえで新宿二丁目に足を運んだりはするし、「陸王」だったら大会を見に行ったりはしますけど、実際、撮影現場に行くと、相手の役者さんとのやり取りの中で、どう空気を作るかということでしかないんです。だから、そのとき自分が何を演じてるかということは、もしかしたらあまり考えてないかもしれないですね。

――演じる平瀬の今後の見どころを教えてください。

僕自身も現役時代に経験したことなんですけど、ある年になると競技者としてのこの先を考えるときがくるんですよ。平瀬もあのチームでは一番ベテランランナーなので、若い勢いのある選手がたくさん入ってくると、今後の身の振り方とか、限界なのかなということに苦悩する時期がくるであろう…というところがキーポイントになってきます。スポーツをやっている人なら必ず訪れるポイントなので、スポーツ経験者の人だったら共感できると思うし、その分野を知らない人でも、自分の生き方に置き換えて、何かを感じられるものだったりするかもしれない。いい話にはなっているはずです。

僕も同じようなことを経験したとはいえ、もちろん平瀬と僕は人物も環境も違う。撮影はこれからですが、どこか共感できるものを見つけて、こういう思いなのかなという想像を膨らませて、表現していければいいかなと思っています。