トラックにもEV化の波「エンジン音がなく深夜でも迷惑にならない」
2017年10月25日〜11月5日まで開催される第45回東京モーターショー2017では、トラックやバスなどの業務車両も展示されます。主に低燃費や高効率をアピールする業務車両分野において、EV(電気自動車)の実用車の展示が目立ちました。

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いすゞ自動車では、EVトラック「エルフEV」が展示されていました。ゼロエミッションや低騒音などをコアコンセプトとしつつも、様々なボディ架装にも対応した実用的な仕上がりになるとしています。2018年度よりモニター販売で市場投入を行う予定で、EVならではの大容量バッテリーを活用した冷蔵、冷凍車や、ゴミ収集車などの動力をバッテリーから得る架装品も見込まれます。




バッテリーに関しては現時点では固定式で、劣化による交換は可能とするものの、モジュール式など短時間で交換できる仕様ではありません。使い切った状態から満充電までには5時間ほど必要ということで、コンビニ配送など常に稼働している業種では台数を増やしてローテーションするなどの運用が必要になるだろうということです。一方、宅配便など充電時間が確保できる業種では、既存の車両のリプレースも見込まれます。



航続距離は、100km以上ということで、拠点間輸送よりは都内の配送巡回などに適しているだろうということです。EVトラックの利点として、静粛性と低公害があり、深夜早朝の住宅地にあるゴミの集配やコンビニ配送などでもエンジン音で住民の迷惑にならない。ゴミ収集車や冷蔵車など動力を供給し続ける必要のある車両でも排気ガスが出ないので臭いや環境負荷が少ないなどが挙げられています。



三菱FUSOでは、3tクラスのEVトラック「eCanter」と大型トラックのコンセプトカー「Vision ONE」を発表しました。「eCanter」は、すでに量産もスタートし出荷も始まっている商業モデルです。すでにセブン‐イレブン・ジャパンとヤマト運輸が導入を行い、11月から運用が開始されるということです。



Vision ONEは、実際に走行可能なBサンプルというもので、300kWのモーターを搭載、最高速度は80km/hです。1回の充電の航続距離は350Kmということで、拠点間輸送も視野に入れた運用を見込みます。



三菱ふそうの代表取締役社長でCEOのマーク・リストセーヤ氏は、環境問題など社会圧力からのEV化ではなく、経営メリット、コストメリットとしてのEVをアピールします。おそらく社用車としてリース契約となるだろうが、導入コスト、月々のリース料としては従来のディーゼル車より高価格になるかもしれないが、燃料コストがかからない(電気代はかかるが大幅に少ない)ため、使えば使うほどコスト的にお得になるとしています。



日野自動車では、国内で唯一の小型ノンステップバス「日野ポンチョEV」を展示しています。初出展ながら、すでに東京都の墨田区と羽村市、石川県小松市で営業運行している市販車です。10kmほどの運行ルートを走行するごとに充電を行う「高頻度充電コンセプト」を採用しています。




バスやトラックなどの大型商業車両が続々と市場投入される背景には、大型車両ならではのペイロード(積載重量、容積)が大きく、バッテリーなどもたくさん積めるという技術的な側面と、稼働率が高いので投資コストを回収しやすいという費用対効果の側面があるようです。また、騒音と環境面で倦厭されがちなバスやトラックなどの商業車両ですが、EV化によって導入や運用する企業や自治体と直接関係ない地域住民にも受け入れやすいという面も後押ししているのかもしれません。