バンクーバー五輪フィギュアスケート男子銅メダリストでプロスケーターの高橋大輔さんが、2017年10月28日に横浜美術館前で行われた「みらいチケット」記念セレモニーに登壇。次回のヨコハマトリエンナーレを鑑賞できる「みらいチケット」を子どもに手渡した。写真は記念セレモニーの様子。左からヨコハマトリエンナーレ2017コ・ディレクターの逢坂恵理子横浜美術館館長、対象者代表の子ども、高橋大輔さん(2017年10月28日撮影)

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2020年のヨコトリを鑑賞できる「みらいチケット」2020枚発行

2010年バンクーバー五輪フィギュアスケート男子銅メダリストで、現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する高橋大輔さん(※)が、2017年10月28日に横浜美術館前で行われた「みらいチケット」記念セレモニーに登壇した。2020年に開催を予定している次回のヨコハマトリエンナーレに子どもたちを招待する「みらいチケット」を20名に手渡したほか、ヨコハマトリエンナーレ2017コ・ディレクターで横浜美術館館長の逢坂恵理子さんとともにトークセッションを行った。
※「高」ははしごだか

 

高橋さんが子どもたちに手渡した「みらいチケット」とは?


はじめに逢坂館長が「みらいチケット」について次のように説明した。
 
「現在、11月5日まで横浜美術館ほか会場で現代アートの国際展『ヨコハマトリエンナーレ2017』を開催しています。『トリエンナーレ』とは『3年に一度』という意味で、次回は2020年に開催を予定しています。

ヨコハマトリエンナーレは、いま、この時代のアーティストが豊かな発想力・思いがけない創造力を使って、魅力あふれるさまざまな作品を展示しています。作品を通して、多くの方々が、いま私たちを取り巻いている世界、人々、私たちの身近な方々について思いを馳せ、アーティストからのメッセージを受け取っていただけたら、と思っています。

2020年には、東京五輪・パラ五輪も行われます。スポーツの祭典ということで、高橋さんに来ていただきました。高橋さんには、スポーツとアートの世界をつなげていただくことを期待しています。

今回発行する『みらいチケット』は、未来の、2020年のヨコハマトリエンナーレのチケットです。子どもたちがいまの時代をどう受け止めて、未来にどうつないでいってくれるのか、そしてまた現代アートの祭典・ヨコハマトリエンナーレに戻ってきて欲しいという思いから、企画しました。ご家族とともにお楽しみください」(逢坂さん)



「みらいチケット」は、11月5日(日)までの閉幕前の期間、保護者とともに「ヨコハマトリエンナーレ2017」に来場・鑑賞した子どもたちに、10月28日(土)から先着2020名に無料で配布する。「みらいチケット」をもらった子どもと同伴者2名は、3年後の2020年に開催予定の「ヨコハマトリエンナーレ」を無料で鑑賞できる。
 

「アートとスポーツから受ける刺激は違う。2020年は両方にふれて」

続けて、高橋さんが「みらいチケット」について次のように感想を述べた。

「アートというのは、感性やその時代、年齢によって受け取り方が違うと思います。家族で現代アートを観に行って語り合うという機会は、あまりないのでは。また、アートから受ける刺激とスポーツから受ける刺激は違うと思うので、2020年は、東京五輪・パラ五輪とヨコハマトリエンナーレ、両方にふれることができるいい機会だと思います」(高橋さん)

これまで現代アートにふれる機会があまりなかった、という高橋さん。仕事でヨコハマトリエンナーレを取材して「とっつきにくい印象がありましたが、自分の中の新しい感性を発見できました」と現代アートの魅力について語った。

高橋さんが印象に残った作品は「巨大な竹」と「ふたつ並んだ服」


逢坂館長に「ヨコハマトリエンナーレ2017」で印象に残った作品、おもしろいなと思った作品について聞かれると、「入口に入ってすぐの“しめ縄”を意識して作った竹の作品の迫力はすごいな、と思いました。もうひとつは“服”。ふたつ並べてあるんですけど、どちらがブランドの服でどちらがお母さんが作った服かわからなくて……。“見せる”というアートの発想に驚きました。僕たちも衣裳を作って着るので、その作品が印象的でした」と答えた、高橋さん。

すかさず逢坂館長が「今日は高橋さんのおかげで、たくさんの方にこの場に来ていただけました。高橋さんが印象深かった作品、ぜひチケットを買ってご覧ください」とPR。「コスチュームの作品を挙げられるということは、やはり高橋さんは美意識が高いですね!」と続けると、来場者からは拍手と歓声が沸き上がった。「美意識については……がんばっている方だとは思いますが(笑)、子どものうちからアートにもっとふれておけばよかったなと。スケートばかりでそういう機会がなかったので。子どもはいろいろなものを吸収していると思うので、もっと美意識が身についたかも」と自身を振り返った。

「美意識といえば、ステキなチェック柄のスーツ、今日初めて着たそうですね?」と逢坂館長にファッションについて突っ込まれた高橋さん。「1年前に一目ぼれして買ったんですが、なかなか着る機会がなくて……。今日は“アート”がテーマなので、バッチリだなと思って着てきました」と、照れながら、凝ったデザインのスーツについてのエピソードを披露した。
 

高橋さんが考える、現代アートとフィギュアスケートとの共通点とは?

逢坂館長が「ヨコハマトリエンナーレ2017をご覧になって、現代アートとフィギュアスケート、つながっている部分はありましたか?」と質問すると、次のように回答した。

「フィギュアスケーターは、シーズンを通して、ショートプログラム、フリープログラムというふたつの作品を皆さんにご覧いただくわけですが、僕らがプログラムを作りあげていく中で思い描くものと、受け取る側の思い描くものというのは違うと思います。そして、それは、どちらも正解。アートも同じことが言えますよね。

また、ファーストインプレッションで『好きだ!』と思って、『こういう意図で作られているんだ』と知っていって、新たに探れるというところなんかも、共通しているな、と感じます。

実は、現代アートの展覧会って、何か発言すると『ぜんぜんわかってないな』と言われそうなので、あまり行かなかったんですけど……そういうことはないんだなと。その時に思ったものは、すべて正解なんですよね。頭でっかちだった部分が消えて『こういうのが好きだったんだな』と、新たな発見がありました。感性、表現という部分では、アーティストもフィギュアスケーターも同じことをしていると思います」と、高橋さんなりの現代アートとフィギュアスケートの共通点を見出していた。
 

女性に着て欲しい秋のファッションは?「カラシ色がかわいいなと」

記念セレモニー後の記者の囲み取材で、ファッションのポイントについて聞かれると、「スタイルがあまり良くないので、着るとスタイルが良く見える服を選んでいます。流行には左右されず、好きなものを選ぶことが多いです。着心地が良くて、変わったデザインが好きですね」と高橋さん。チェック柄のスーツのウエスト部分の複雑なデザインが特にお気に入りなのだそう。

続けて、秋に女性にどんな服を着て欲しいか聞かれると、「カラシ色は秋らしくて『かわいいな』と思います。ワンピースも好きですが、ワイドパンツをかっこよく着こなす女性にも憧れます。髪型はロングが好きなんですけど、刈り上げっぽいショートもいいですね」と、答えてくれた。
 

平昌五輪では「記憶に残る、語り継がれる作品を披露して」

最後に2018年2月に開幕する平昌(ピョンチャン)五輪に向けてがんばっている後輩に向けて「僕の時代に比べると、テクニカルな部分でハイレベルなものを取り入れて表現しなければならず、大変だなと思います。自分ができる最高のパフォーマンスをしながらも、『魅せる』表現を目指して欲しいです。記憶に残る、語り継がれるような作品を披露してください」と、エールを送った。

「みらいチケット」は、11月5日(日)まで横浜美術館ほかで開催中の「ヨコハマトリエンナーレ2017」に中学生以下の子どもとその保護者が有料チケットで入場した際、子どもに無料で配布される。2020枚限定配布なので、早めに訪れることをおすすめしたい。

(文:田辺 紫)