「けんかきせる」とは何か?

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現在、喫煙はタバコの葉を紙で巻いたシガレットが広く普及しています。それ以前は、管を用いた煙管(きせる)が用いられていました。煙の管と書くので非常にわかりやすいですね。語源はカンボジア語で管を意味する「クセル」がなまったものといわれています。東南アジアの言葉が日本語の中に流入しているのは面白いですね。

どう使う?

煙管はちょうど、西洋のパイプと同じようなものといえるでしょう。煙管の先にタバコの葉をつめて火をつけて吸引します。一口サイズですので、ちょっとタバコを吸いたいという時には重宝するでしょう。

別の用途も?

煙管は常に携帯するものですから、別の用途に使われることもありました。それが喧嘩煙管(けんかきせる)です。喧嘩煙管は、普通の煙管に比べて重厚な作りでした。これはいざという時には武器として使うことがあったようです。なぜこうしたものが生まれたのかといえば、武士のような刀を持つことを許されなかった庶民が、護身用として用いていたといわれています。さらに、煙管の形を六角形にしたり、イボをつけたりといった加工も行われていました。実用的な武器というよりは、デザイン性を追求した側面もあったといえるでしょう。歌舞伎の世界では、喧嘩煙管だけでなく、目立つように大きく軽い煙管も作られました。煙管は江戸時代のファッションアイテムのひとつであったのです。

キセル乗車との関係は?

さらに、煙管といえば鉄道などの不正乗車を指すキセル乗車との関係が気になります。これは吸口の部分と、タバコを乗せる部分のみが金属製のため、入口と出口だけ金を使うという意味が転じて煙管となったのです。金属製の煙管の部品は現存しているものが多くあります。江戸時代の人たちの生活の記憶が道具によってよみがえってくるようです。