米飲料大手が出資の大麻企業、新たな「大麻ドリンク」開発へ

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ビールの「コロナ」や「モデロ」、ウォッカの「スヴェドカ」といった人気ブランドで知られる米コンステレーション・ブランズは、大手飲料メーカーとして初めて、そしてフォーチュン500企業としても初めて、大麻ビジネスに参入する。

ニューヨークに拠点を置くコンステレーションは10月30日、医療用大麻を扱うカナダのキャノピー・グロース(Canopy Growth)の発行済み株式のうち、約10%をおよそ1億9000万ドル(約216億円)で取得することで合意したと発表。出資比率を今後、さらに10%増やす可能性もあることも明らかにした。

カナダ・オンタリオ州に拠点を置くキャノピー・グロースは、2014年に創業。トロント証券取引所に上場している(銘柄コードはWEED)。上場している大麻関連企業としては、世界最大の規模だ。国内市場向けに医療用の乾燥大麻やオイルなどを製造するほか、大麻が合法化されている各国向けに、製品を輸出している。

カナダでは来年にも嗜好(しこう)用大麻が合法化される見通しだが、コンステレーションは発表文で、「あらゆる規制レベルにおいて大麻が合法化されている地域でのみ事業を行う」と明言している。つまり、米国市場では当面、事業を展開する考えはないということだ。

ただ、ロブ・サンズ最高経営責任者(CEO)は今回の出資について、市場の変化を先取りすることで成功を維持するという自社の理念に従ったものだとして、次のように述べている。

「キャノピー・グロースは、消費者市場において重要なカテゴリーになると予想される新興市場の法律や規則、経済的展望を理解している経験豊富な経営陣が率いる企業だ。コンステレーションの成功は、早期に消費者トレンドを捉えることに注力してきた結果であり、今回の出資もまた、そうした方針の下での行動の一つだ」

キャノピーのブルース・リントン会長兼CEOは、同社はコンステレーションからの出資と生産・流通、アナリティクスに関する知識の移転により、大麻の主な有効成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)を使用したアルコール飲料と類似の飲料を新たに開発する計画だと説明している。2019年半ばまでの発売を目指す考えだ。

「私は以前から、コンステレーションの後を追っていた。資金のためではない…コンステレーションが持つ専門知識のためであり、また、彼らが非常に先見の明のある企業だからだ。その他の飲料メーカーには、100年前の鉄道会社のようなところがある。他社の新規参入をいかに阻止するかを考えようとする」

両社の合意について、大麻関連ビジネスへの投資に重点を置いている米国の投資会社コーエン・アンド・カンパニーは、コンステレーションの今回の決定は「小規模でも意味がある」との見方だ。両社の今後の見通しについては、いずれも「アウトパフォーム」の評価ができるという。

酒と大麻は「共存」可能か?

一方、コーエンのアナリストが大麻とアルコールについて指摘した点が、議論を呼んでいる。このアナリストは投資家向けの資料の中で、アルコールと大麻の間には逆相関関係があると述べている。米国でもカナダでも、特に若年成人を中心に、アルコールと大麻は互いの代用とされるものであることが示されているという。

「…オンタリオ州でも同様だ。北米全体で見た場合、大麻を使用する消費者の60%以上が、大麻を使用するときにはアルコールの消費量が減少すると報告している」