いよいよ開業を迎える上野フロンティアタワー。地域のフロンティアとして輝き続けてきた松坂屋の新たな挑戦がはじまる

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 あの「パルコ」が上野にやってくる。

 建替え中であった「松坂屋上野店南館」が新たに「上野フロンティアタワー」と命名されて11月4日に全面開業を迎え、核店舗のパルコ新業態「パルコヤ」(PARCO_ya)、「松坂屋上野店」、「TOHOシネマズ上野」も併せてグランドオープンを迎える。

 長年、百貨店として営業してきた松坂屋上野店がテナントとして新たに「パルコ」と「映画館」を入居させたのには、松坂屋が、そして上野御徒町地域が抱えていた「ある問題」があった。

◆大丸松坂屋グループとなったパルコが上野に登場!

「ある問題」はさておき、まずは新たな上野松坂屋南館「上野フロンティアタワー」の概要を見ていこう。

 上野フロンティアタワーは地下2階、地上23階建てで、地下1階に「松坂屋上野店」、地上1〜6階にパルコの新業態「パルコヤ」(PARCO_ya)、7〜10階に「TOHOシネマズ」が出店するほか、12〜22階はオフィスとなる。下層階の商業施設面積は約14,600平方メートル。なお、「パルコヤ」は当初「上野パルコ」として出店するとされていた。パルコは2012年より大丸松坂屋百貨店を運営する共同持株会社「J.フロント リテイリング」の傘下となっており、近年は大丸松坂屋百貨店との連携を強化している。

 核テナントの「パルコヤ」は、メインターゲットの年齢を百貨店の客層よりも低い30代から50代に設定。平日は周辺のオフィスワーカーの取り込みを、休日は上野・御徒町地域の観光客の取り込みや広域集客を狙った店づくりをおこなう。

 パルコヤの1階は「彩る」をテーマに、街の顔になるエントランスフロアとして、「ディーン&デルーカ カフェ」など2つのカフェ、「SABON」、「ベアミネラル」、「金子眼鏡」などのコスメや身の回り品、ワインショップ「ヴィノスやまざき」、「日比谷花壇」などを導入。

 2階から5階は、各フロアを「装う」、「遊ぶ」、「暮らす」、「楽しむ」のテーマに別け「ディーゼル」、「ミーイッセイミヤケ」、「ポールスミス」、「マーガレット・ハウエル」などのレディス・メンズ複合ファッション、吉田カバンの新屋号「KURA CHIKA by PORTER」や、「犬印鞄製作所」、「unico」、「ザ・ボディーショップ」などの鞄、雑貨などに加え、各フロアに「スターバックスコーヒー」、「あんみつ みはし」などといった、街歩きの休憩や仕事の打ち合わせにも使えるカフェを配置した。

 また、6階は「食べる」をテーマとし、レストラン街「口福回廊」を展開。「うえのやぶそば」、「銀座アスター」、「牛たん利久」、「金沢まいもん寿司」など9店舗が出店する。

 地階は松坂屋となり「街歩き」をテーマとした婦人靴などを販売。そして、7階から10階は8スクリーン・約1,400席の大型シネマコンプレックス「TOHOシネマズ上野」となり、上野公園や秋葉原から徒歩圏であることを活かしてアート好きやアニメファンに向けた取り組みも行う方針だという。

 さて、ここまで上野フロンティアタワー館内の紹介をしてきたが、かつての「ザ・老舗百貨店」という印象であった松坂屋上野店南館とは大きく異なった構成になったことが分かる。

 そして、これまで「松坂屋が、そして上野・御徒町地域が抱えていた問題」に気づいた人も多いであろう。その問題とは「客層の高齢化」と「客層が広がらないこと」、そして「上野・御徒町やその周辺地域との繋がりの希薄さ」だ。

◆「老舗だからこそ」地域の強みを生かした大改革!

 松坂屋上野店は1768年に「いとう松坂屋」として開業。現在の本館は1929年に建設されたもので、1957年に旧南館が増築されたが、南館は2014年3月に閉鎖され、建替え工事が進められていた。この南館には屋上遊園地があり、都内では数少ない屋上遊園地の生き残りとして有名であったが、南館の閉館とともに遊園地も閉園、過去帳入りしている。